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「摩天楼ブルース」   (記:2000年4月)

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 今日取り上げる映画は、「摩天楼ブルース」。よほどの映画好きの方でないと、知らないのでは…。 1979年のアメリカ映画で、ジャン・マイケル・ビンセントが主演している。ジャン・ビンセントと言えば、あの伝説的なサーフィン映画「ビッグ・ウェンズデイ」や終末SF映画「世界が燃え尽きる日」などに主演した、一世を風靡した2枚目俳優。しかし、この映画に関して言えば知名度、興行収益共に、いま一つパッとしなかった。競演俳優は、アート・カーニーやジョン・カンパネラに、ティリーザ・サルダナ…はっきり言って、誰も知らない。監督は、ジョン・フリン(知ってる?僕は知らない)。

摩天楼ブルースImaged by JOLLYBOY

 しかし、僕はこの映画が大好きで、ビデオまで買ってしまった。どんなストーリーかと言うと…。ニューヨークのスラム街に、一人の男 (ビンセント)がやって来る。彼は、停職中の二等航海士だ。彼がやって来た町は、ストリートギャングたちの暴力が吹き荒れる町だった。恐喝から殺人まで何でも犯すギャング。町の住人は、彼等の報復を恐れて誰も警察に訴えでない。町には、かつてこの町で"ストライカーズ"というチームを張っていたかつての喧嘩の猛者たちもいたが、彼等も年をとって今の平和な生活があり、ギャングについては見て見ない振りをしていた。

 二等航海士は、その町で少年や少年の友人である老年の元ボクサーや、ストライカーズの元メンバー達と出会い、また素晴らしい女性と恋に落ちる。しかし、彼のつかの間の平和はストリート・ギャングたちに破られて行く。元ボクサーが殺された時、彼の怒りは頂点に達する。しかし、元ストライカーズの面々は自分の平和な生活を失うのを恐れて黙っている。二等航海士は、単身ギャング達に戦いを挑む。 (もう、この辺が高倉健の邦画の世界と通ずるものがあって、渋いのだ)。たった一人の彼の前には、大勢のギャング達が立ちはだかる。勝ち目のない戦い。と、そこへストライカーズの元リーダーがたった一人で、応援に駆けつける(命をかけた友情なのだ。ワイアット・アープとドク・ホリデーの様な)。でもしょせん二人では、どうしようもない。とそこへまた一人、元ストライカーズのメンバーが。そしてまた一人、また一人とストライカーズが集結。何時の間にか、ギャングの周りをストライカーズが取り囲む。町の平和を取り戻すため、また男の心意気に応えるため立ち上がったのだ。それだけではなく、町の住民たちも立ち上がり、二等後悔士とストライカーを応援する。こうしてストリート・ギャングたちは破れるのだった。スカッとする結末である。特に、任侠映画を見なれた日本人には、好まれる映画という気がする。機会があったら、ぜひご覧あれ。