色んな国の言葉を学ぶ

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2.英語…こんなにも長く学び続ける外国語

良く知られた世界のジョークから。
豪華客船で火災が発生。船長は、各国の人々にスムーズに海へ飛び込んでもらいたい。
そこで、アメリカ人にはこう言った。
「今飛び込めば英雄になれますよ!」
イギリス人にはこう言った。
「こう言う時に飛び込むのが紳士です!」



 日本語に続いて取り上げるのは、やっぱり英語でしょう~。日本人は、英語を学ぶ時間が、異常に長いから。まあ、話せるようにはならないのだけれどもね。僕の場合、中学から大学まで10年も学んだ。普通は10年も続ければ、たいていの物は何とかなるもんだが、これが何ともならないのである。理由は簡単。英語に対する緊迫感がゼロなんですな、これが。必要に迫られていない。むしろ欧米の植民地支配下にあったアジア諸国の人々の方が、日本人よりもずっと"通用する"英語を話す。香港へ行った時も、フィリピンへ行った時も、彼らは英語を普通に話す(※フィリピンの場合、スペイン語の巻き舌が混じってた気がするが…^_^;;)。
 彼らは、日本人のように学校で文法を丁寧に習ったりしたと言うよりは、生活の中で英語力を身につけていった人々である。生活がかかった言葉の獲得と言うのは、生半可な学習よりもずっと効果がある。

 "英語を必要としない"生ぬるい日本の生活で、英語を覚えると言うのは、"圧政もなく銃弾も飛び交っていない"生活で「戦場を想像しろ!」と言うのに等しい。「何故、日本人は英語を話せないのか?」。答は簡単である。「必要に迫られていないから」。

 そんな日本人である僕が、自らを"英語の必要な状況"に自らを追い込んだ事がある。大学4年の時、40万円も借金して(※当時、就職の決まった学生にリクルート社が卒業旅行計画をアドバイスし、あまつさえお金も貸していたのである)、単身、2週間の海外旅行に出発したのである。パッケージツァーでは無い、正真正銘のフリー旅行。デイパックたった一つ背負い、着の身着のままの自由な旅行。フィリピンを経由して、オーストラリアへ。
 実はこの時、海外へ行くのももちろんの事、飛行機に乗るのも初めてだった。成田空港(※新東京国際空港)はともかくとして、マニラやシドニーの空港での交渉は、全部自分で、もちろん英語。宿もまったく予約していなかったので、宿を見つけるのも現地で、宿との交渉もすべて自分。現地のバスに乗るのも、国内便に乗るのも、すべて英語。しかも、オーストラリアの英語は、"グッデイ"が"グッダイ"のように訛るオーストラリア英語。それでなくても、英語なんて良く分からんのに…。
 一人旅…つまり自分しかいないので、もう必死!頭の引き出しに"仕舞われっ放し"の英語を何とか引っ張り出して、身振り手振り付きの必死な交渉。学生の必死な"思い"は通じて、2週間をなんとか乗り切った。"言葉"が通じたと言うよりは、"思い"が通じたと言う方が、正しいかもしれない。

 その後、何度か外国へ行った。ほとんど英語圏。仕事で行った場合も、ツァーで行った場合もあるが、基本的にコンダクターが付いていたので、何の心配も無い。そうなるとまた"ぬるま湯"に逆戻りで、英語は上達しない。
 しかし、再び"英語危機"が訪れる。と言うか、再び自分で危機を作ったのだけれど。また単身旅行を計画。アメリカ西海岸のSFX工房を巡る一人旅を敢行。「以前よりは英語を勉強したし、オーストラリアの時よりはましだろう」と内心、高を括っていた。それがとんでもない間違いである事を知る。ホテル周辺や観光地域にいる時はまだ良かった。向こうもこっちが"英語の下手な外国人"として認知してくれ、なんとか理解してくれようと努めてくれる。しかし、レンタカーを借りて、L.A.から200kmも北上したサンタ・マリア市(コンピューターカフェ/現在のカフェFX本社がある)で悲劇は起こった。
 そこは日本人なんてほとんどいない所。当然、観光地ではない。長距離を運転して来た僕は、おしっこを我慢していた。すぐにトイレに行きたい。そこでサンタマリア市内のセブンイレブンに入った。そこで僕は"Toilet"を使用したい旨を女性店員に伝えた。ところが向こうは、"意味が分からない"様子。"うん?Toiletじゃないのか?"と思い、単語を"Lavatory"にしてみる。やはり通じない。次は"BathRoom"にしてみる。やっぱり駄目。"Rest Room"ではどうだ!通じない。"WC"は?まったく駄目。破れかぶれで"Private Room"と言う。全然駄目。ちっとも通じやしない。
 もう、僕の貧困な語彙力は尽きた。もう、おしっこの我慢も限界!そこで、コンビニ内のトイレを指差した。そうしたら、ようやくその店員は理解して頷いた。僕はトイレに飛び込んだ。用を足しながら、単語が間違っていたのか、はたまた発音が悪かったのか、思い悩んだのは言うまでもない。

 その反省の元、帰国後、僕は英語の勉強を心に誓った。しかも長期計画。まず、最初の半年で、CD付きの英文法のテキストを読み返し、それからアルクと言う通信教育の12ヶ月の英語の初歩会話テキストを開始して、きっちり12ヶ月間終えた。次の年は、やはり12ヶ月間の中級ヒアリングマラソンを終えた。足掛け2年半、仕事の傍ら英語の勉強を前進させた。通信講座とは言え、毎月CDが付いてくるので、データをMP3プレーヤーに落として、気軽に何度も発音を確認できるのは良かった。テープレコーダーの時代も遥か昔…便利な時代になったものだ。

 その2年半の努力の成果を示す機会が、ほどなくやってきた。新婚旅行のニュージーランド旅行である。妻の手前、あんまり無様なかっこうは見せたくないし、向こうも見たくないだろう。日本語の通じるホテルはともかくとして、旅行の間、現地のお店の人や、現地のドライバーやバスツァーのコンダクターなどは、当然日本語などはしゃべれない。そんな中、買い物、交渉、会話など、なんとか最低限の意思疎通はできたようだ。感無量。

 ホントは、留学経験をして3年ぐらい英語付けになっていれば、もっと確実な英語力が身に付いたのだとは思うけれど、今更それを言っても仕方ない。日本にいる間はあんまり必要に迫られないので、また英語力が錆付いたりするとは思うが、時折思い出したように英語の勉強を繰り返していくのだろうな。それが、僕も含めた現在の多くの日本人の典型的な姿であるのだろう。

(2007年12月16日記載)


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