世界の珍説・奇説 03

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(このホームページは原則的に引用・参考資料をできる限り記載していますが)、本コーナーの情報源は様々な雑誌や図書、テレビ番組、ラジオ番組などから少しずつ時間をかけて蓄積されたものなので、元となった引用・参考資料を明記できません。しかし、世界の歴史上に存在する(もしくは過去存在した)研究者や学者の観察や研究の成果である事は確かです。予めご了承下さいませ。また、本コーナーに記載されたものは、必ずしも、科学的な正しさが証明されたものではない仮説が多数含まれている事も、ご了承ください。このコーナーの記事は、頭の体操、視点の転換のために、楽しくお読みいただければ幸いです。


インフルエンザウィルス・宇宙飛来説   (2008年11月30日記載)

 さてさて、怪しい奇説・珍説の3回目です。真冬到来、今年はインフルエンザが猛威を振るうのではないかと言われていますが(※毎年言われている気もするが)、10年に一回位の割合で猛威を振るう"新種の強力なインフルエンザウィルス"が宇宙からやって来ると言う説があるのをご存知でしょうか?

 ウィルスと言うのは、まず"生命"と言えるのかどうか怪しい。大雑把に言えば、ウィルスは遺伝子の塊でしかない。ウィルスだけでは生命活動を行えず、他の動物の細胞を利用して生命活動を行う。細胞の物質を摂取し、吸収し、同化し、エネルギーを利用し、成長し、増殖する。しかし、ウィルス単体では、生命活動は行えない。そういう意味では、ウィルスは単なる"物質"である。だから超酷寒で真空の宇宙空間でも、ウィルスは"死んだり"ないし逆に"活動したり"する事はなく、ただただ漂っているだけである。
 今回取り上げるインフルエンザのウィルスも、そんなウィルスの一つだと考えてほしい。悪い事に、このウィルスは宇宙空間で始終"有害なX線や紫外線"を浴び続けているので、ウィルス内の遺伝子が絶えず影響を受けている…塩基配列がどのように変わるのかは、もちろん誰にも知る由も無い。10年も経てば、随分と違う性質の新種のウィルスとなるだろう。
 では、どのようにその新種のインフルエンザウィルスが、宇宙から地表に降りてくるのか?そもそも、この分厚い地球の大気圏をウィルスが無事に突き抜けてくる事が可能なのか?
 この問いに解答を与えてくれるのが、10年に一度ぐらいの割合で起こる"太陽の黒点の大爆発"である。黒点の大爆発により、太陽から大量の荷電粒子の嵐が巻き起こり宇宙に放出される。この激しい太陽風により、人工衛星が狂ったり壊れたりするのは有名である。実はこの強力な太陽風が問題で、宇宙空間に漂っているインフルエンザ・ウィルスも荷電される。すると、どうなるか。地球には磁気があるので、荷電粒子は北極へ集まる。北極圏でオーロラが見えるのは、この粒子が大気に衝突してできるものである。新種のインフルエンザウィルスも、当然北極へと集まってくる。隕石なら大気に突入する際に燃え尽きてしまうが、インフルエンザウィルスは細胞よりも遥かに小さく軽いから、ユラユラ~、フラフラ~と非常にゆっくりと地表に降り注ぐ。あまりに軽いので、何週間も、何ヶ月も(あるいは何年も?)かかって北極の地表へ降り注ぐのだ。


地球の磁場←大雑把に描くとこんなイメージかな…

 ところがである。インフルエンザウィルスが地表に降りる前に、一つの問題が起こる。渡り鳥である。北極圏をたくさんの"渡り鳥"が通過する際に、このユラユラと漂っているインフルエンザウィルス群の中を突き抜け、結果として渡り鳥がこの新種のインフルエンザに感染する。
 鳥から直接に人に感染することはないと言われるが、ここで次の過程が生ずる。渡り鳥は、人と豚が共存する地方に飛来する。鳥に感染したインフルエンザウィルスは、まず豚に感染する。豚に感染したウィルスは、人間にも感染できるようになる。こうして人類が体験したことのない新種のインフルエンザウィルスが人間に感染して、世界中で猛威を振るう。
 まとめると、ほぼ10年周期で太陽の黒点が爆発し、それから数年ずれて新種のインフルエンザが猛威を振るう…と言うわけである。「風が吹けば桶屋が儲かる」とか「北京で蝶が羽ばたけばニューヨークで雨が降る」みたいな説だけど、ちょっと真実味があると思いませんか(笑)。

 以上、今回は、インフルエンザウィルスの宇宙からの飛来説でした。


※参考:スペインインフルエンザ(1918年/死亡者数、世界で数千万人)以降の主なインフルエンザの猛威。
・アジアインフルエンザ/1957年/死亡者数、世界で200万人以上。
・香港インフルエンザ/1968年/死亡者数、世界で約100万人。
・ソ連インフルエンザ/1977年/免疫を持たない若年層に感染。

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