般若心経・概略訳
入口 ＞トップメニュー ＞キリスト教研究 ＞諸宗教考察 ＞仏教講座 ＞現ページ
「求道者(ぐどうしゃ)が、深い無分別智で行(ぎょう)を行なっていた時、分別智で、五つの構成要素のあることを知ったが、それは、自ら無実体であることが分かった。
この世では、物質的現象には無実体性の性質があり、無実体性であることが、物質的現象なのである。
しかし、物質的現象を離れて、無実体性があるのではなく、また無実体性であることから離れて物質的現象があるのでもない。この両者は表裏一体であって、無実体性即物質的現象なのである。精神的現象である受・想・行・識にもまた同じ事が言える。
この世の一切の物は、無実体性と言う特徴があり、生ずることも滅することもなく、汚れることもないが、穢れ(けがれ)から離れることもない。滅することもないが満ることもない。それゆえに、無実体性の立場で、実体視される物質はなく、精神活動もあり得ない。
また実体視されている目・耳・鼻・舌・触覚神経もなく、その対象である色も、声も、香も味も、触覚もない。また考えられる法もなく、認識されるものと認識するものとによってつくられる意識もない。
明もなく無明もなく、老死もなく苦もなく智もなければ、得ることもない。
得ることがないのだから、求道者は、無分別智の完成によって心の障礙(しょうげ)なく生きていける。心に障礙がないから、おそれもなく究極の静寂に安住することができる。すべてのブッダは、無分別智の完成により、無上の正智(しょうち)を得ている。それゆえに無分別智の完成者の言葉は、人々の一切の苦悩を取り除くのである。
濁世の彼岸に渡った時、さとりは開かれる。この正覚(しょうがく)によって無分別智は完成する。この無分別智の完成者が説く言葉が真言である。」
(2005年 4月10日記載)
新品価格
￥1,080から
(2014/11/8 14:31時点)
新品価格
￥600から
(2014/11/8 14:39時点)
