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若者よ、青春時代を楽しく過ごせ (2019年3月11日記載)
僕が朝散歩を始めた理由は、8年前の2012年にさかのぼる。毎週お会いしてお話しをしている、現在95歳を超えている高齢者…以後、親しみを込めてお爺ちゃんと呼ばせていただく…が、いつも元気で、毎朝散歩をしていると聞いた。そこで毎日座りっぱなしで運動不足の僕も、朝の散歩を開始しました。それが2012年の3月のこと。
話が脱線するけど、僕はお爺ちゃんを知らずに育った。母方のお爺ちゃんは、戦時中、海軍に招集されて南洋で船ごと沈んで戦士。父方のお爺ちゃんは、僕が幼稚園に入る以前に倒れて死亡。幼過ぎて、顔も声もまったく覚えていない。なのでこの90歳後半の高齢者が、僕にとってのリアルなお爺ちゃん。頭の回転も良く、ユーモアを解する。みんなで写真を撮る時に、僕が「次は変な顔をして撮りましょう!」と言うと、間髪入れず「いいの、もう十分に変な顔なんだから」とアドリブで返し、一同爆笑。そのぐらい機転がきくの。
で、話を元に戻すけど、このお爺ちゃんね、色んな話をしてくれる。戦時中、2度も部隊の全滅を経験しているの。兵舎に爆弾が落ちて、部隊が全滅したんだけど、たまたま2名だけその部屋を離れていて生き残った。そんな事が2度もあったの。死線を何度も潜り抜けてきてるのね。
その、お爺ちゃんがいつも言う言葉が「楽しまないと損!」。登山が趣味でね、北海道から九州まで「日本百名山」のうち、「97名山」まで登っているの。今みたいに、バスとかロープウェイとかケーブルカーもなく、登山道もさして整備されていなくて、今なら日帰りで行けるような山も3日かけて登っていた時代。富士山も1合目からが当たり前。しかも、ゴアテックスとかヒートテックなんてのも全く存在しない時代で、高機能のリュックもウエアもシューズもない時代。そんな時代から、登山を続けている強者なのですよ。
色んな山の話をしてくれるんだけど、お薦めの山は、「富士山、白馬、立山、この3つは登っておいた方が良い。」だそうです。僕は、まだ富士山しか登ってないな…(笑)。
そのお爺ちゃんが、いつも言うの。「みんな、引退してから楽しもう、なんて言うでしょ?そんなの全然駄目なの。歳とるとね、腰が痛いの、脚が痛いのって、出かけなくなるの。だから、動けるうちに楽しまなきゃダメなの。」
2012年を機に僕の趣味はガラリと変わった。散歩を皮切りに、サイクリング、ランニング、トレッキングと、アウトドア活動が広がっていった。
それ以来、仕事がどんなに忙しくとも、自分の楽しみの時間を確保するようにしているの。仕事も趣味も、たまにはやり過ぎてヤケドしたり失敗したりと、痛い目にあう事もあるけど、「アレをやらなかった(涙)」とか「アレに挑戦しておけば良かった!(汗)」と言うような後悔は全くない。
「若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。青春時代を楽しく過ごせ。心にかなう道を、目に映るところにしたがって行け。知っておくがよい。神はそれらすべてについて、お前を裁きの座に連れていかれると。」 (コヘレトの言葉:11章9節)