入口 >トップメニュー >ワインとCGと祈り >現ページ
また選挙の暑い夏がやってくる (2010年 7月 1日記載)
7月、また選挙の夏がやってくる。
前回の選挙で圧勝した民主党だが、前回の選挙で掲げていた"道険しき孤高の改革路線"から、今回の選挙では随分と旧自民党的な"実行しやすい似非(えせ)現実路線(※注)"へと方向転換し始めている感がある。4400にも及ぶ団体に12兆円もの予算が注ぎ込まれているのを、徹底的に削減するのではなかったのか?その削減した費用を基に、福祉の向上や教育の向上を図るのではなかったのか?結果的に1兆円も削れず(仕分けでノーと言った事業が別項目で復活すらしているのは何故?)、しかも天下り先団体はまったく減っていない。そして国の借金が増えただけ。どう言うことなのだ?「まだ1年も経っていない」と言ういい訳もあるだろうが、改革の実行過程の背景にある姿勢そのものが疑問に思われてくる。「本気で"改革"を"実行"する気があるのか!?」と言う点である。
※注:ここで僕の言う似非現実路線とは次のようなものであ。例えば、国の高度成長期時代には、時代背景を考えれば(おそらくのどのような党が政権を担っていても)似たような経済成長を果たしていただろう。しかし時の政権は、成長を自分の党(政権)の政策の結果だと訴える。しかし、一旦成長に陰りがみえたり経済が下降しだすと、それは時代のせいであり、党(政権)の政策の無策とは認めない。これらは政党のご都合主義であり、現実の社会で起こっていることに対して、ある時は"虎の意をかる狐"的になり、ある時は"道具のせいにする下手な職人"的となる。これは、野球の試合の結果が、勝った時は監督の成果とし、負けた時は選手のせいにするようなものであり、世間はそのような監督に対して"卑怯"と言う判定を下す事であろう。現実に起こっていることに対し、政党が同じような態度を示せば、やはりそれは"賞賛"の逆の評価を与えられても、つまり批判されても仕方ないのではないだろうか。歴史を振り返ると、実際のところはたいした手立ても打たず、現実の世の流れに右往左往させられているだけである(※最近の事例ではバブル時代の無策が分かりやすい)。僕は、これを政治の似非現実路線と名付けた。
改革どころか、財源不足を補うために消費税を"アップする"と言う(後に"税制の抜本改革"と言葉をすり替えている)。まず、"徹底的な無駄の削減"をしてほしいから、前回の選挙で皆が民主党を選んだのではなかったのか?こんなにも早く民主党が、官僚に取り込まれてしまうとは…選挙民の開いた口が塞がらない。政権を取ってしまうと、こうもあっと言う間にガラリと変わってしまうものなのか。
みんなの収入がここまで減っているのに、増税をするの?(1000万人以上の人が年収200万円台だよ?)ますますみんな物を買わなくなるよ?いつもいつも消費税の税率のことばかり声高に言うけれど、そもそも僕らの国とは欧州の国の税体系は違うよ…所得税とか、住民税とか、健康保険税とか、既に色んな税を僕らは高負担しているよ。
増税する前にすべき削減は、「居眠りしているのに高報酬な多すぎる議員の数」であり、「一部の特定企業に利益を誘導する税金の使い方」であり、「明らかにされない(私的流用?の)政府の機密費や各省庁の裏金」であり、「天下り官僚のファーストクラスや高級ホテル、三ツ星レストランを使った海外視察と称した意味の無い豪華で贅沢な海外旅行」であり「公表されることのない"委託"と称した天下り官僚への(民間では考えられない)多額の報酬」であり、「官公庁のデータを書き写すだけの業務で存続している団体」であり、「天下りを繰り返すことで数億の報酬を得ている天下り官僚」などなどetc.…なのじゃないの?「天下り団体はすべて無駄」と言い切る元役人すらいるのに、何故一つも無くならないの?無くしたはずなのに、名称だけで変えて存続し続けている団体があるのは何故?
菅さんは、個人的には嫌いな政治家ではなかった。と言うより、むしろ好きな政治家だった。市民運動出身で、厚生大臣時代もがんばっていたし。しかし、総理大臣になってからの対応は、改革実行できそうもないものには触れず、官僚のレクチャーの言いなりになっているようにしか僕には見えない。投票していた人は、そんなものを民主党には期待していなかったはずだよ。官僚が推し進める政策は、ガンガン前へ進んでいき、官僚を否定する政策や行動は、陰日向色んな所で抵抗にあい、闇に葬られる。そう言う実態を、私達は目にしてきたはずだ。
今度の選挙、どう一票を投じたら良いのだろう。各党のマニフェストを読む。これらにはそれぞれ正論も含まれるが、選挙前の人気取りの建前と化しつつあるのではないか?本当に書かれていることを"実行する"か"否"かは、民主党の例を見ても誰にも分からない。
いったいどこに(誰に)、投票したら良いのだろうか?
こんなにも官僚組織の腐敗を増大させ続けて、かつ未だに旧自民体質の根本的改革すらできていない"自民党"は論外だろう。かつて選挙前に"自民党とは組まない"と言って選挙後に自民党とくっ付いて、結果的に自民党を延命させてしまった"公明党"も蚊帳の外。批判や正論はお得意だが、具体的な実行力そのものが疑問な"共産党"も選択肢外。亀井さんは嫌いじゃないが、政策が納得できない"国民新党"も選べない。"社民党"…どうしたいの?"たちあがれ日本"…勘弁してください。幸福実…あっ、これはいいや。
では、"新党改革"や"みんなの党"はどうなのか?マニフェスト(orアジェンダ)を読む。問題は、前回の民主党のマニフェストと同様、それが実現されるのか、どうかだ。実現されないのでは一票を投じた意味が無くなる。要は、書かれている事に対する"実行力"である。今一度真剣に考え、どこに一票を投じるか、熟考したい。
…と言うような戯言(ざれごと)を、これまでの僕なら徒然に延々と書いていたと思う。毎回、同じことことを繰り返し書いているのも(=つまり政治がなかなか前進しないのが)、精神的に辛くなった。今回、ぜんぜん違う論点で書くことにする。
で、「政治家だって、しょせん人間だよ!」…である。
そう、どんな立派な経歴を持っていようが、しょせん人間なのである。世のサラリーマン諸氏と変わらない。社会に出た若者は、最初はやる気や立派な志をもって仕事に当たるかもしれないが、日々のきついノルマに追われて次第に疲れてくるし、会社組織や上司に不満も出てくる。何年もすると、だんだん事なかれ主義的に毎日を平穏に過ごすことに慣れていく。不況になってリストラの危機に見舞われると、生活や収入も大事だし、そりゃあ焦りだすけれど…。つらいけれど、なんか踏ん張って係長、そして課長に、あわよくば部長に昇進しよう。
政治家だって、同じです。だって人間だもの。
政治家になった時は、「日本を変えたい!」「日本を守りたい!」と言うような高い志を持っている人も確かにいるのでしょう。でも、日々の陳情や雑務に追われていくうちに、疲れていく。マスコミに不平・不満が溜まっていく。「一番伝えて欲しい本質を伝えないで、ゴシップネタや批判ばかりして。日本の未来をもっと真剣に考えろ!おまえらマスコミはクズか!」(もちろん口に出しては言えないけど)。国民に対しても不満が溜まっていく。「おまえらもいちいちくだらないマスコミ報道に左右されて、気分でコロコロと態度を変えやがって!お前らホントに馬鹿か!?」(これも絶対に口に出しては言えない)。「自分の都合ばかり言って、自分の利益誘導ばっかり求めやがって!」(これも決して声に出しては言えない)。そんな議員生活を長年続けていくと、真面目に国民のために働くのが馬鹿らしくなる。国民のために働いても収入は増えないで仕事が増えるだけだが、別の団体のために働いたらそれなりの"見返り"があるし。官僚のレクチャーを受けて法案出したり、発言している方が楽だし。官僚が整えてくれた(官僚側に都合の良い)データもあるし、野党やマスコミを駆逐できる理論武装もできている。でも、この議員の立場や高報酬は失いたくないから、選挙地に帰ったら、「自分がいかにがんばって政治の改革や国民の福祉に努力しているか、涙を流し、声をからしてせつせつと訴えよう。固く握手を交わしながらそう言っておけば、みんな一票入れてくれるだろう…馬鹿だから。口に出しては言えないけどね。で、このまま上手く対処し続けて大臣まで行って、70歳ぐらいまではこの地位と報酬を維持していれば、みんな先生、先生と持ち上げてくれるし、老後も安泰、それなりに贅沢できるな」。
政治家…しょせん私達とまったく変わらない人間である。マスコミの前では大言壮語して虚勢を張り、報道カメラがいなくなった途端に突然"先輩先生方"にペコペコ頭を下げ、愛想をふりまき始める。自分の信念(そんなものがあればだが)は懐にしまっておいて、対人関係という村社会で自分の立場を維持&向上させることに心血を捧ぐのである。
そう、これこそが、実は私達"日本人"の姿そのものである。そのような日本人が投票し、そのような日本人が選ばれるのである。この"日本人的"な感覚を持った人でないとなかなか選挙で選ばれないし、その人が当選して議会に入ったらとうてい"改革"なんてできないのである…だって"日本人的"だから。だから、日本に"政治屋"は多く"政治家"は希である。日本人自身が自らを改革・向上しなければ、政治も改革されることも向上することも決してないだろう。
上記で例示したような、そんな腐った政治家ばかりでないことを望むが、自民党であれ、民主党であれ、公明党であれ、共産党であれ、国民新党であれ、新党改革であれ、みんなの党であれ、社民党であれ、とにかく長いものに巻かれず、事なかれ主義に終始せず、私利私欲に走らず、企業や官僚のためでなく、突破力をもって政治の第一の目的である"国民の福祉"のために法律を作って、骨身を削って働いてくれる"真の政治家"を求む!ホントに心から望むぞ!!
7月、また選挙の暑い夏がやってくる。
民主党政権 失敗の検証 - 日本政治は何を活かすか (中公新書)
新品価格
¥972から
(2014/11/12 12:49時点)
新品価格
¥987から
(2014/11/12 12:51時点)
新品価格
¥778から
(2014/11/12 12:51時点)
1945年のクリスマス―日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝
新品価格
¥1,888から
(2014/11/12 12:54時点)