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外国人犯罪について考える (2004年8月15日記載)
過去二回に渡り、最近の政治と経済について意見や感想を書いてみた。今回は犯罪について、特に凶悪化・増大化している外国人犯罪について、考えてみたい。
昨年、現役の警察官と話す機会があった。彼は最近の外国人犯罪について、愚痴とも思えるほどの嘆きをとうとうと述べていた。最近、強盗や窃盗と言った犯罪に対する警察の検挙率の低さが指摘されているが、この背景には外国人犯罪の増加があるのだと言う。例えば、某国の人物が窃盗の現行犯で逮捕されたとする。警察の取り調べに対して、その人物は決して口を開かない。まず、言葉が通じないと言う問題がある。言葉の問題だが、取り調べは通訳を介して行なわれる。通訳を介していては、意思の疎通がままならない。日本人の犯罪者なら、ベテランの刑事の取り調べによって余罪の自供を引き出す事も有り得る。通訳を介する事によって、それがほぼ不可能となる。それともう一つの問題がある。日本で犯罪を行なう者達の多くは、初めから犯罪目的で入国して来る者も多く、犯罪者の母国において"捕まった場合のマニュアルや様々な心構え"のレクチャーを充分に受けているとの事だ。犯行を見つかった場合の逃走から、捕まった場合の警察への黙秘に至るまで対処法が確立しているとも言われる。物的証拠がある場合はともかく、自供が得られない以上は、現行犯の犯罪のみしか立件できない。一件の犯罪により、たいていは国外退去処分と言う事で母国へ強制送還される。(犯罪者が初犯の現行犯で捕まるのは稀だと思われるが)、強制送還になった犯罪者の犯罪暦はあくまで一回だ。過去、数回~数十回の犯罪を重ねていたとしても、それを捜査する道はここで閉ざされてしまう。こうして、外国人犯罪者の犯行は裁かれず、検挙率だけがどんどん下がっていくと言う構図である。その現役警察官は、現在の日本の法律では限界にある外国人犯罪に対して嘆いていた。
さて、何故これほどまでに日本と言う国が、外国人犯罪者に狙われているかと言うと、一つ目に彼らの母国より日本は遥かに富裕な社会で、しかも国民の安全に対する認識が甘くて、金品を盗みやすい。二つ目に、日本の警察は完全になめられていると言う事実。彼らの本国において同じような犯罪を犯せば、容赦ない取り調べと刑罰が待っている(しかも、刑罰に対する見返りの稼ぎは遥かに少ない)。そんな状況だから、(刑罰が軽くお金も豊富な)日本で一獲千金を求めて犯罪を目的に渡航して来る輩が後を絶たないのである。彼らの母国は比較的貧しく、また人権が日本よりも軽視されている社会だから、それに対する日本は犯罪者天国とさえ言えるのだ。この犯罪者の中には、初めから犯罪目的で入って来た者ばかりではない。最初は学業や研修目的でやって来て、その後学費や生活費に困るようになって、次第に犯罪に手を染めていく者もいる。
昨年、僕は事務所を市ヶ谷周辺から秋葉原周辺に移したのだが、この界隈は中国人がとにかく多い。彼等に対する民族差別意識とかはまったく持っていないが、密入国者や不法滞在者の問題となると話しは別である。僕の新事務所の以前の入居者は、日本に滞在する中国人を補助するNPO団体だったらしい。そんな分けで、入居し立ての最初の数ヶ月は中国人がひっきりなしに訪れた。全員が、中国系の新聞に掲載されたNPO団体の広告(これが困ったことに、うちの新事務所の住所なのである)を片手に持っていた。中には自分でドアを開けて、いきなり入って来る者さえいた。驚くべきことに、そのほとんどの中国人がまったく日本語を話せないと言うことだった。まがいなりにも留学生なら、片言の日本語ぐらい話せるだろう(旅行者だって"こんにちは"ぐらいは話すだろう)。これは僕の予想だが、ぼくの事務所のドアを叩いた中国人の多くは、大使館等に相談できない密入国者か不法滞在者だったのではないかと思う。なんとか日本に入国してみたものの、行き場や相談する場所がなくて、新聞に掲載されたNPO団体の記事を頼りにここを訪れたのだろう。(全員が切羽詰った必死な形相をしていたから、まず間違いないと思う)。これだけ頻繁に来られては流石に仕事に支障が出てくるので、警察に相談した。結局、警察にも特別な対処法と言うものはなく、中国語で"ここはNPOではない"と言う張り紙を貼るのと、日中鍵をかけると言う、僕でも考えつくアドバイスしか得られなかった(中国人の来訪はその後徐々に減っていったが、鍵は今でもかけている)。
ずっと以前に、僕は密入国し不法滞在・不法就労している中国人と関わりになったことがある(別にこちらから好んで関わりになった分けではない・・・念のため)。彼は犯罪目的で来たわけではなく、家族を養うために単にお金を稼ぎに来た人である。中国でどんなに真面目に働いても、賃金は月額5千円~2万円程度が限界である。日本なら、ちょっと真面目に働けば月額20万~数十万円万円ぐらいは稼げる(と言う日本に対する誤った認識がある。日本人だってこれだけ稼ぐのはたいへんなのである)。だから、中国のマフィアに百万~2百万円にもなる密入国代金を払っても、彼らは日本に来たがる。そして仲間が世話してくれる仕事をこなし、当局に見つからないように密かに生活しているのだと言う。周囲の人とは絶対にもめないように、信じがたいほどに静かに生活している。もしちょっとでも騒ぎを起こせば、警察が駆けつければすべてがそこで終わってしまい、本国へ強制送還となるからだ。だから、彼らは初めから犯罪目的に入国して犯罪を次々と犯す外国人とは対極な位置にいて、決して騒ぎや問題を起こさないように気を付けてびくびくしながら日々生きているのだ。(彼らは隠れて生活しているので)もちろん統計的に正確な数を把握する術は無い分けだが、密入国者や不法滞在者の数は僕ら日本人が考えているよりも遥かに多いらしい(そして残念ながら、密入国者や不法滞在者も雑多な人々が混在しているので、犯罪に手を出す人も出てくるのだろう)。
もちろん密入国者や不法滞在者は、日本に在留する外国人の割合からすれば極々少数である。多くの外国人が、真面目に学業や仕事の為に日本に来ている。十年以上前、台湾から来た男子留学生のお世話を短期間したことがある。大学入学までに少し期間があったので、街を案内したり、日本の風習を説明したり、ドライブしたり、僕のアパートに行って話しをしたりした。彼は台湾で懸命に日本語を勉強していて、それなりに日本語を話せるようになっていた。少しでも、日本と日本語になれようと努力していた。彼のような留学生は、もっと日本の国と日本人はサポートしてあげるべきだと思うし、そう言うシステムを充実させる必要があると思う。まったく言葉・習慣・風俗の異なる国から来ると言う事はとてもたいへんな事であろうし、実家が余ほどのお金持ちでなければ、生活費や学費だってたいへんなはずだ。
犯罪とまでは言えないが、外国の人々が時折周囲の人々とトラブルを引き起こす事がある。うちの近所に、パキスタンから来たと思われる人々数名が、中古車の輸出業を営み始めた。それなりに広い土地を借り、そこに多くの車を保管していた。そこには違法性はない。ところが車の台数が増え始めると、歩道にも堂々と中古車を置き始めたのだ。一日や二日と言うのではなく、数ヶ月以上も歩道を駐車場代わりに使ってしまうのだ。その歩道は、小学生の通学路と言うこともあり、警察も張り紙等をして撤去するよう警告したが、まったく効果は無かった。彼らは日中はそこにはいなくて、夜になると車を運び込んだり運び出したりしていた。日本語がほとんど通じなくて日中もそこにいないから、注意のしようがないのである(県内の別の市では、同じように路上に中古車を止めているパキスタン人の業者と右翼団体の間で衝突があったりしたが、ここではそう言う事態にまでは発展しなかった)。先日、その業者はその土地を引き上げたが、しっかりと一台、商品価値のなさそうな壊れた車を路上に残して立ち去った。今でも、その壊れた車は歩道に置かれたままだ。犯罪とまでは言えないが、単に"慣習や風俗の違い"では片付けられない困った問題である。
我々は、感情的になって単純に外国人排斥のような考えに取り付かれてはならない(先日のサッカーアジア杯での反日行動のような行為は、日本人は絶対に避けるべきである。ああ言う行動は自己満足は得られても、本質的に何も解決しない)。むしろ冷静になって、外国人犯罪が起こりにくいシステム(不法滞在ができにくい制度、犯罪履歴者の入国ができない制度、海上保安庁の沿岸警備強化、学ぶ意志の無い外国人を安易に入学させてしまう大学の見直し、外国人がより相談しやすい窓口の設置等々)や、外国人犯罪が起こった場合きちんと対処できるシステム(逃走犯の追尾システム、高度な通訳者の確保、外国人犯罪に特化した警察官の増員、入管システムや捜査などでの国際社会とのより詳細な情報交換等々)を築く必要がある。私は法律の専門家ではないが、現在の法律では限界があると思う。これは、日本一国では難しいかもしれない。犯罪者は本国へ強制送還されても、偽造パスポートの取得等で再び日本に戻ってきてしまう例も多いから、犯罪者を再入国させないために、相手国に出入国管理のシステムを見直してもらうことも必要だろう。
また教育と言うものも大切だと思う。例えば我々は、英語も話せないのにアメリカで働けるとは考えない。そうできると考えるのは、かなり向こう見ずな人だろう。ワーキング・ビザは取れないし、単純作業の仕事すら得られないだろう。日本に密入国してくる人々は、日本に来てさえしまえばなんとかなると思っている。ビザも無く日本語も話せないのだから、まっとうな仕事が得られるはずもないのに・・・である。仕事が無くなれば、犯罪に手を染める可能性も高くなってくる。密入国して日本にやってこなくて良いシステム、つまり表玄関から正々堂々とやって来られるシステムの構築が必要だ。(これは日本国の問題だけでなく、相手国にも比重の高い問題かもしれないが)就労したい相手国の歴史や慣習等の教育、言葉の習得、相手国企業で働くための技術の習得等、様々な教育が本来必要なのである。そう言った手続きを踏まずに密入国で渡航しても、ろくな仕事を得られない事実、闇社会の人々や犯罪に関わりやすくなってしまう事実等を、しっかりと公的な教育機関で教える必要があると思う。これらは、ぜひ相手国にも真剣に考えていただきたいと思う。
バブル崩壊以降、日本人自身による凶悪犯罪も増えているが、同様に外国人による凶悪犯罪も増えている。望むと望まざるとに関わらず、我々が犯罪に巻き込まれる確率は日増しに高まっている。我々自身の安全の確保のためと、狭量な国粋主義や外国人排斥などにつながらないためにも、選挙で受かった政治家達に、ぜひ犯罪に有効な法律並びにシステムを構築してもらいたいと切実に願うのである(ほとんどの候補者が、公約に"犯罪の減少"を挙げていたのだしね)。
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