入口 >トップメニュー >ワインとCGと祈り >現ページ
経済について真面目に考える (2004年8月1日記載)
税金について
最後にどうしても突っ込んでおきたいのが、税金に関する問題だ。僕もサラリーマン時代は、税金も健康保険も厚生年金も天引きだったから、今ひとつ負担感が希薄だった。しかし、個人事業主になってから、いかに支払っている税金額が多いかを知って愕然とした。ここ3年間を見てみると、一年あたり平均で170万円も払っている。ある年には、所得税・住民税(県民税・市民税)・固定資産税・国民健康保険税・国民年金保険料の合計額が、240万円にもなっていた…一日当たり約6,500円である。我が目を疑った。6,500円?・・・いったい何の数字だ、これは・・・。ちなみに、我が家の現在の食費は一日当たり1,000~2,000円の範囲に抑えている。こうして苦労して家計をやりくりしている。なのに税金・国庫金に一日6,500円も払っている。この他に、自動車税や日々の買い物の消費税だって払っている。これだけ税金を払っているのに、しっかりした行政サービスを受けている実感はないし、老後も相変わらず不安なままだ。もし、毎年170万円も公金として払っているなら、そのうち100万円を貯金に回した方がよっぽど老後の備えになると思ってしまうのは、僕だけではないだろう。20年後には、少なくとも2,000万円の蓄えができる。どうなるかわからない年金にお金を注ぎ込むよりは、よっぽどましだと思うのが人情である。
僕も含め、国民の税金に対する不満は二つある。一つ目は、税金が正しく使われていない、もしくは無駄に使われている、と感じていること。二つ目には、これだけ払っているのに、将来の不安がまったく解消されていない、と言う事。
一つ目の問題について、考えてみよう。今、日本の国は大不況で圧倒的な歳入不足である。そして政府は、どうしたらもっと税収を上げられるかに血眼になっている。税制を改正し、消費税をより多くの業者から集められるようにした(僕のような超小規模の末端個人事業者ですら、これからは消費税業者である)。また確定申告で認められる控除が減らされる。例えば配偶者控除に関する議論では、女性がもっと社会で働けるように配慮したと言うことだ。しかしそれは表向きの理由で、控除廃止による税収のアップが本音だろう。今、税体系は歪んでいる。いろんなところで、矛盾が噴出している。例えば、ガソリン。ガソリンの半分は税金だ。ところが、価格全体に消費税5%がかけられている。つまり半分を占める税金部分にも、消費税がかかっているのだ。税金に税金がかけられているのである(お酒などにも同様な事が言える)。こんな馬鹿げた話しがあろうか。もし僕が何かを買ったり、外食したり、映画を見たりして年間200万円使ったとしたら、消費税を10万円払っていることになる。しかしそれだけではない。ワインやガソリンに含まれている多額の税金も払っているのだ(その上、ドライブで遠出する度に、本来無料になっていなければならない高速道路料金すら払わされているのである)。所得税や市民税の他にも、こんなにたくさんの税金を払わされているのである。
こうして、せっせとあちこちから集められた税金が正しく使われているのなら、まだ我慢もできよう。しかし、聞こえてくるのは、相変わらずの必要度の低い公共工事への投資や、数々の特殊法人の存在、そしてそこへの天下る高級官僚、公・官庁の無駄遣いや裏金作りと言ったニュースの数々である。「公務員の宿舎があんなに安くて立派なのは何故?」、「課長の送り迎えに、あんな高級車が必要なの?」、「数年で埋まってしまうダムを、また作るの?」、「いつまでたっても高速道路、無料にならないじゃないか!」、「なぜ関連会社の三十歳そこそこの社員の年収が1,000万円もあるの!」・・そう言ったセリフは、国民が一度は口にした事だろう。みんな、払った税金が正しく使われていないと感じている。民間会社だったら売上が落ちれば、経費を削減することに全力を注ぐ(そうしないと、倒産してしまうからだ)。まず税金をたくさん取る事に心血注ぐよりも、歳出を抑えるべきだろう、と言うのが大半の国民の本音だと思う。僕も同感だ。
二つ目の問題を考えてみよう。福祉や医療、老後の問題だ。ドイツやフランスなどのヨーロッパ先進諸国では、一生懸命働いたら老後悠々と人生を楽しもうと言う意識が高いし、実際にそうしている人が多い。しかし、日本ではなかなかそうならない。会社を退職した後でも、年金をもらえる年齢に達するまで一生懸命働く(うちの親父もそうだった)。医療費も、国民健康保険を払う僕の負担は現在3割になっている。多額の税金、保険金、年金などを支払いながら、多くの人がそれに見合った見返りが得られていないと感じる(もちろん世の中には、払う税額よりももらう額の方が圧倒的に多い人がいると言う事実も知ってはいるが)。しかも、更に消費税率が上げられようとしている。おそらくこのままの状況で消費税率が上げられたとしても、福祉や医療、年金のレベルが上げられるとは思えない。僕らが年金をもらう時代は、受け取る年金額があまりに少なくて悠悠自適の老後などは夢のまた夢である。この問題は、結局一つ目の問題と表裏一体の問題であり、集められた税金の使い道の問題なのである。多額の血税が、大企業やゼネコンや特殊法人に漏出していくのか、国民一人一人の生活レベル向上に使われるのか、そのバランスの問題である。今、国民の多くがこのバランスについて、大きな不満を持っていると思う。僕も、その一人だ。
税高くして民滅び、国亡ぶ (渡部昇一ベストセレクション 政治1)
新品価格
¥1,728から
(2014/11/11 16:42時点)
この国は議員にいくら使うのか―高給優遇、特権多数にして「非常勤」の不思議 (角川SSC新書)
新品価格
¥821から
(2014/11/11 16:42時点)
天下り“ゾンビ” 法人 「事業仕分け」でも生き残る利権のからくり
新品価格
¥1,512から
(2014/11/11 16:48時点)
中古価格
¥62から
(2014/11/11 16:49時点)