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経済について真面目に考える    (2004年8月1日記載)

24時間営業について

 僕がここ数年「嫌だなぁ・・・」と思っている事の一つに、街が眠らなくなったと言う事がある。風営法の施行で、一部の業種の夜間の営業は制限されたが、数多くの業種が24時間営業を始めている。
 僕が子供の頃は、店は7時前にすべて閉まっていた。しかし、それが少しずつ変わっていった。セブン・イレブンが、地元に開店した時の事は良く覚えている。11時まで開店している、なんて便利なのだろうと思ったものだ。ところが現在は11時どころか、ほとんどすべてのコンビニエンスストアが24時間営業になってしまった。コンビニエンスストアだけではない。ファーストフードやファミリーレストラン、スーパー等にも、24時間営業や深夜営業の店がどんどん増えている。便利にはなったかもしれない。しかし、それと時を同じくして、社会がおかしくなっていったようにも思う。
 子供が、夜遅く自転車で街中を徘徊している・・・塾の帰りだろうか。若者が、深夜コンビニの前にたむろって騒いでいる・・・親は心配していないのだろうか。様々な疑問が頭をよぎる。かつては夜間は店が閉まっていたので、夕ご飯を食べるには家に帰るしかなかった。親や兄弟と喧嘩していようが何だろうが、とにかく家に帰ってご飯を食べる・・・。塾が終わったら、家に帰ってご飯を食べる・・・。そう言う社会だった。塾が隆盛を極める中で塾の授業はどんどんと遅い時間ににずれ込み、塾でコンビニ弁当を食べるようになる子供も出てくる。友達にちょっと会って来ると言って、夜ファーストフードやファミリーレストランに出かけていく子供も出てくる。そんなので良いのだろうか?僕も子の親だが、自分の子供にはそんな生活をさせたくない。
 都市の24時間化は、犯罪の増加とも深い関係がある。従業員の手薄な深夜に、24時間営業のコンビニに強盗が入る(女子高生達が射殺された事件、覚えておいでだろうか?)。人通りの少ない日の出前の早朝、消費者金融の24時間ATMマシンが破壊される(ショベルカーでの連続事件、覚えておいでだろうか)。昼間でさえ危険な今の世の中、深夜に街を徘徊する子供達は、様々な犯罪に巻き込まれる可能性が高い(もしくは彼等自身が犯罪者になるかもしれない)。
 生活が便利になることは、幸せになることとイコールではない。(携帯電話もそうだが)24時間営業の店は、確かに便利かもしれない。しかし昼と夜と言う人間の生活リズムを破壊し、家族の夕べの団欒も破壊する。「ああ、またコンビニ弁当か。もう飽きたな・・・家で夕飯食べたいな。」・・・そんな風に思っている塾通いの子供はいないだろうか。「ああ、もう9時か・・・銀行でお金をおろすのは遅くても大丈夫だし、夕飯はその辺で食べて帰れば良いから、もう少し残業して帰ろう」・・・そんな風にダラダラ残業している人はいないだろうか。
 売り上げ第一主義で夜間営業をするのは、もうそろそろストップしても良いのではないだろうか。夜間開いている店は、薬局や病院、市内の一部のお店等だけで十分な気がするのである。


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