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ビバ、クラリス! (2022年2月28日記載)

「いや、奴はとんでもない物を盗んで行きました。あなたの心です」
「はい!」
のクラリスとは何の関係もない、自転車のクラリスの話し。

ロードバイクに採用されるシマノのコンポは、上からデュラエース、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラ、クラリス。
クラリスが採用されるのは、初心者用のエントリー・ロードバイク。だいたいフレームがアルミで、フォークがカーボン。僕が最初に乗ったロードバイク、メリダ・ライド80が正にそう言うロードバイク。
2012年にジャイアントのクロスバイクを買って3年乗り、2015年にメリダライドを買った。白と青のデザインが気に入って決めたのだけど、あれから7年も経過。105は11×2=22速、ティアグラは10×2=20速、ソラは9×2=18速、クラリスは8×2=16速。最下層のエントリーグレードだけど、全く不満はなかった。初心者用のエントリーロードとは言え、今まで13.5kgもあったクロスバイクの車重が3kg近く減って9.7kgとなり、とても軽くなったと感じた。


納車当日のメリダ・ライド80


エントリーロードと侮るなかれ。このメリダ80で、200km以上走ったこともあるし、一日で一都六県(神奈川-東京-埼玉-千葉-茨城-栃木-群馬)縦走したこともあるし、一日で106kmライド+獲得標高1,386m獲得も出来たし、山や海や湖やお城、あちこちに行ったし、筑波の8時間耐久レースに出たこともある。そしてこのエントリーロードバイクで、既に14,655kmも走っている。


2018年8月:TTバーを付けて、真夏に200km超えライド達成


クラリスのエントリーロードバイクでも、これだけのポテンシャルを持っているのだ。マイ・メリダ・ライド80はデザインも良いし、この7年間不満はほとんど無い。まあ、ホイールその他パーツ、もう1台ロードバイクが買えるだけのお金をかけたけど(笑)。
唯一不満があるとすれば、溶接痕。いかにも「大量生産の工場ラインでロボット溶接しました~」と言うような美しくない凸凹の溶接痕。実は台湾のバイクメーカーだけでなく、欧米の有名ブランドのエントリー・ロードバイクのフレームの多くも、台湾のジャイアントやメリダ等の工場でOEM生産させている物が多く、溶接痕は似たり寄ったりだったりする。だいたい凸凹。この溶接痕だけが不満で、次に買うロードバイクは溶接が美しいバイクと決めていた。


各種パーツのバージョンアップ&ニューアルを終えたメリダ・ライド80


ライド80。これが僕の初めてのクラリス搭載のエントリー・ロードバイクである。初心者用の入門バイクとして、多くを学んだバイクである。今の僕の自転車ライフの基礎の多くを築いたと言っても良い。

ところが、最近このクラリス搭載のエントリーロードバイクですら、初心者にも次第に手が出しにくい価格になってきている。ロードバイクは、基本的にセールでもない限り、値引きは1円もないと思った方が良い。人気車種なら尚更である。僕が2015年にライド80を買った時は、税込み79,900円だった。つまり8万円である。これにペダルやヘルメットやグローブやライトやワイヤーキーなどの初期ライドに必要な品を加えても、初期費用は10万円以内で抑えられた。
しかし、今は希に見る世界規模の過去最大の自転車ブームで、かつコロナ禍で工場の生産が追いつかず、世界的なパーツの供給不足で、軒並ロードバイクが2~3割も値上がりしている。(僕が先月に買ったウィリエールのロードバイクも2万円も値上がりしていた・・汗)。
そのせいで、エントリーグレードでありクラリス搭載のロードバイクも、ほとんど10万円超えとなってしまい、12万円を超えるのも普通にある。特にディスクブレーキタイプのクラリス機は、もはや初心者用エントリーロードの価格とは言えない。これにヘルメットなど種々必要な初期費用を加えると、最初に13~15万円近く用意する必要がある。中高校生には、かなり厳しい価格設定だと思う。ロードバイクに興味のない親なら、「たかが自転車になんで10万円以上もかかるの!意味が分からない!」となるでしょう。
今、車重9kg台で、かつ税込み10万円以下のクラリス搭載ロードバイクをネットのカタログで探したが、4台しか見つからなかった。アメリカ1社、台湾1社、日本2社で、欧州ブランドは全滅状態。もっとたくさん調べれば、もう少し出て来るかもしれませんが。
あの良心的で高性能で、なおかつ財布に優しい(と思っていた)日本のコーダブルームのFARNAのクラリスですら、税込み約11万円・・・ブレーキまでクラリスでホイールはWH-RS501だから、クオリティでがんばっちゃった結果の10万円超え。
今までがんばってコスパの高かったジャイアントのCONTEND2も、ブレーキはクラリスじゃなくてTEKTROでコストカットにも関わらず、10万円を超えてしまい約12万円(汗)。

9kg台&税込み10万円以下のクラリスグレード・ロードバイク/2022年2月28日現在)
メーカー タイプ 車重(ペダル無し) 価格(税込み/円)
メリダ RIDE 80 台湾 9.7kg 99,000
トレック Domane AL2 米国 9.57kg 99,000
アンカー RL3 DROP 日本 10.1kg(ペダル込み) 98,000
ネスト FALAD PRO 日本 9.3kg 99,000

この4ブランドは、よくがんばっていると思う。

まずは、
MERIDA・RIDE80。かつてはメリダのロードバイクの中核を担っていたライド・シリーズも、もはやこのRIDE80しかラインナップに残っていない。他のグレードは、全てSCULTURA(スクルトゥーラ)やREACTO(リアクト)になっている。RIDE80は、わざわざ初心者用にリーズナブルな価格で残してくれているような、メリダの良心とも言えるロードバイクである。しかもブレーキまでクラリスと言う良心的な設定(クランクは相変わらずFSAだけどね)。初心者に、安心してお薦めできる。溶接痕は、相変わらず凸凹ですが(笑)。

TREK・Domane AL2も素晴らしい。9.57kgの車重で、ホイールはボントレガーでかっこ良い。全部説明できないが、色々素晴らしい。私が初心者で今からロードバイクを買うなら、迷うことなくこれだったかもしれない。溶接痕は、やはりエントリーレベルの凸凹です(爆)。

安心の国産のブリヂストンの
ANCHOR RL3 DROP。ペダル込みで10.1kgなので、ペダル無しなら9kg台後半。ブレーキもクラリスでクランクもシマノ製で、パーツがほぼアンカー製とシマノ製と言う良心的な組み合わせで、ペダルも付いていて(※ロードバイクは基本付いていない)、初心者向けのサブブレーキも付いています。初心者なら超有りです。ただし、フレームは他の欧米ブランドと同様に台湾等の生産で、溶接痕は・・・やはりエントリーグレードレベルで凸凹です(汗)。

そして同じく国産、マルキン自転車の
NESTO・FALAD PRO!この価格帯でダントツの軽さ9.3kgはがんばった。シートポスト、サドル、ホイールを交換すれば、将来8kg台まで減量も可能。上位モデルと同じフレームを使用し、ブレーキもコストを下げずにクラリスを使っていると言う惜しみない努力に、メーカーの良心と心意気を感じる。そして何より僕がかなり気にする溶接痕が、2種の溶接と手作業の研磨でエントリーロードとは思えないほど凸凹が少なく、綺麗に仕上がっているのもポイント。ブランド名にこだわらず、名より実を取るならこれ良いと思います。
あと、同じくNESTOのバイクで、驚くべきスペックのロードバイクがあるので別枠で取り上げておきます。
ALTENA(2021バージョン)。なんとソラ(SORA)コンポ搭載で10万円以下!しかも車重が9kgしかない。ペダルを付けても、サドルやシートポスト等のパーツをちょいと変えるだけで8kg台にできる。しかも、ブレーキまでSORA搭載!このバイクだけは、スペック的に明らかにワンランク上。ただし、2021年モデルの在庫限りで終了のロードバイクなので、無くなればおしまい。2022年2月現在、世の自転車供給不足の昨今、今すぐ買いたい人は候補に入れておいて良いバイク!

ネスト ALTENA(2021) 日本 9.0kg 99,550

と言うような、実力派でコスパの高いクラリス機4台(+ソラ機1台)のエントリーロードバイク達です。
これ以外のクラリスロードバイクとなると、車重が10kgを超えたり、価格が10万円を超えてしまいます。
逆に9万円以下だと、コンポがクラリスでなくターニー(Tourney)クラスの7×2=14速になってしまいます。クラリスのシフトは上位モデルのデュラエースまで基本同じですが、ターニーは違います。人差し指だけでなくて親指も使います。めんどい。またターニーは最大歯数も小さいので、ヒルクライムとかは余程脚力に自信がないときついでしょう。ターニー車は確かに安いのですが、見た目も「ターニーだな・・・」と一目で分かるチープさがあるので、(通勤用のような実用街乗り用ならともかく)所有する喜びも含めてロードバイクを趣味として始めるなら、やはりクラリス以上を購入した方が良いと思います。
LOOK(※フランスの自転車ブランドで高価格)のロードバイクは素晴らしいですが、LOOK車(※安くて2~3万円で買えて見た目だけかっこいいバイクの意味)は避けた方が良いですよ。

私自身はジャイアントのクロスバイクからスタートして既に10年が経過し、取り敢えず150kmとか200kmは走れるし、1,000m以上も登れるし、少なくとも中級者レベルではあると自負しています。現在、クラリスロードバイク1台、105ロードバイク1台、クレイン(初代デュラエース)ランドナー1台、ミニベロ1台、更に付け加えるならママチャリ1台の計5台で自転車趣味を楽しんでおります。




その中でも、やはり7年で1万4千km以上走ったクラリスのメリダ・ライド80には強い思い入れがあり、この機を愛して止まないのです。これからもちょいちょい乗るでしょう。
今、クラリスに乗っている人で、上級グレードのロードバイクに乗っている人から暗黙のうちに「あっクラリスなのね」と比べられてしまったとしても、卑下することなんて全くないですよ~。僕は、50万円とか100万円とかするようなバイクに乗っている方々とも一緒にライドする機会がけっこうありますが、8万円のクラリス機で7年間、十分楽しんでました。山にも海にも、色んな所にも旅に行けました。クラリスなのに(!)レースにも出ました(笑)。
人の価値観や楽しみ方は人それぞれですから、競技を目指している人ならともかく、高性能マシンに乗ることだけが自転車趣味の正義ではないですよ(^^)
ロードバイクにはまってマジな趣味になったら、将来物足りなくなってマシンをグレードアップしたくなるのは当然ですが、それまではクラリスマシンで自転車ライフを目いっぱい満喫して、楽しんでほしいと思います♪ビバ、クラリス!