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音楽家 S君 (2020年12月10日記載)

今、ハンマーで殴られたような衝撃で頭が真っ白である。しばらくして、涙が溢れてきて止まらなくなった。
友人が今年の6月24日に亡くなっていたことを、見知らぬ方のSNSタイムラインの記事によって知った。

S君。同い年の40年来の友人。

作曲家であり、ハープ奏者であり、箜篌奏者でもある。東京藝術大学での作曲家の担任は、黛敏郎先生。
福井ハープ音楽賞第2回国際作曲コンクール優秀作曲賞。

彼と出会ったのは、高校生時代の教会のキャンプ。親睦会のゲームで隣に並んで、どちらが重い電話帳を腕を水平に保ったまま持っていられるかと言うゲームで、貧弱な僕は早々に降参。ところが僕ぐらいに痩せているのに、彼は必至な形相で倍の時間持ち続けた。「体力あるんだなぁ~。」と感心したことを覚えている。

その後、お互い高校や大学を卒業し、社会人になっても交流は続いた。他の人が知らない演奏家としての苦労も、たくさん聞かせてくれた。
彼は、人に対する気遣いがとてもできる人だったし、信仰者としても尊敬していた。
「礼拝の賛美歌の奏楽ね、楽譜は初見でも弾けてしまうんだけど、神様に捧げるのだから前の日に必ずピアノ練習するんだ。」
彼は、そう言っていた。

ある時、とある映像用の楽曲使用の相談でS君の地元で会った時は、腕中に湿布薬が貼ってあった。理由を尋ねると、 「一日、必ず8時間は練習するから、腕の筋肉が限界なんだよ。」と言っていた。若い頃から過酷な練習を欠かさずに続けていて、体が悲鳴をあげているようだ。プロの音楽レベルを維持する苦労・努力・気迫をこの目で見た。

結婚して、突然3人の父親になった時も驚かされた。そのお子さんがCGの道を志していると言う事で、CGの業界や学校などについての相談のやり取りも行った。

彼の生の演奏は何度も聴かせてもらいましたが、彼のCDアルバムも発売の度に連絡をいただいて注文して聴きました。本当に素晴らしい演奏や作曲の数々。最後のアルバムは、彼の心の苦しみやその先にある希望が直接感じ取れる、彼の精神性の集大成のようなアルバムでした。



僕は、今年9回手賀沼にサイクリングに行っていますが、必ず千葉県立東葛飾高等学校の前を通ります。東葛高校はS君の出身高です。S君が無くなる4日前も、東葛高校の前を自転車で通過していました。これからそこを通過する度に、S君を思い出すでしょう。
冷静な精神状態ではないので、ここまで自分でも何を書いているのか分からず支離滅裂な文章ですみません。

画像は、2016年の誕生日にS君に送った画像です。彼は喜んでくれました。
彼とまた、天の御国で会う日を楽しみにしています。
主なる神様が、遺されたご家族に慰めと癒しを与えられますようにお祈りいたします。