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公道の木の実を採取すると罪になるや否や? (2020年6月12日記載)

平日の朝は、ランニングか散歩&プチ筋トレをする。
その散歩道(公道)に、ビワの木があってビワの実が百個以上実っている。これを採ると法的な罪に問われるのかどうか。



大学1年の時に民法を取り、その最初の方の授業で習うのだが、これが私有地の木の実(柿とか)だったら、文句なく窃盗罪。
では、その枝が塀の外に出ていて、その実を採ったら?これも窃盗罪。根と枝と実は密接不可分の物なので、全て所有者の物と考えられる。
では、実が路上や自分の庭に落ちていたら?これも柿の木の所有者の物なので、勝手に食べることはできません。もちろん所有者の許可を得れば、主有権は移動して罪には問われません。

さて、問題は公道の木の実。今回の写真のビワ。

以前、ツツジの花の蜜を子供に吸わせてブログにUPしたら炎上したタレントさんがいましたね?僕らも子どもの頃やっていたけど、あれは犯罪になるのか?
公園や遊歩道のツツジは、自治体が管理しているので、原則的には所有権は自治体にあります。なので、ツツジを採れば厳密には窃盗罪や、器物破損に当たる恐れがあります。ただし、子どもが少数のツツジを採ったと言って、社会の通念上は罪に問われることはないでしょう。逆にそんな世の中、嫌です(笑)。
罪に問われるのは、たまにニュースに登場する、花壇を全部壊したり、花を根こそぎ引っこ抜き持ち去る行為、あれは器物破損や窃盗となります。

で、いよいよ木の実の話し。
一番、身近な木の実は銀杏かな?あれも、自治体が管理している場合が多いと思います。なので所有権者は自治体であり、許可なく生っている実を採った場合は「窃盗罪」、落ちた実を拾った場合は「占有離脱物横領罪」が成立する可能性があります。
でも、銀杏を拾って捕まった、なんて話は聞かないですよね。落ちている銀杏は、自治体が権利を放棄している(実際に自治体の職員が採取している所を見たことが無い)と考えられ、犯罪とはならないようです。まあ、トラックでやって来て、根こそぎ全部持っていっちゃうのはまた別次元の問題だと思いますが。

このビワについてですが、まず自治体が種を植えたとは考えられないこと。おそらく誰かが捨てたビワの食べ残しか、誰かが勝手に植えた種が、勝手にここまで大きく育ってしまったと言うことでしょう。
そして、これを市の職員が世話や管理や採取をしているのを一度も見たことがなく、放置されています。毎年、この生った木の実は、そのまま朽ちて落ちます。こうした状況を見るに、少なくとも占有離脱物横領罪は成立しにくいと考えらえます。ただ、その落ちた実を食べたいかと言えば、嫌です(笑)。

以上、散歩道でたわわに実ったビワをみて考えさせられたことでした。