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壮絶!!車内バトル!!   (2003年2月23日記載)

 高校時代に電車通学を始めて以来、20年以上電車に乗り続けている。現在の職場までは、乗り継ぎが良くてもドア・トゥ・ドアで片道1時間15分はかかる。往復で2時間以上のこの時間は、有意義に使わねばもったいない。社会人となるとなかなか読書の時間すら持てなくなるので、僕はこの通勤時間を読書に当てるようにしている。ところが、一年300日も電車に乗っていると、読書どころではない迷惑な行為に出くわすことも時折ある。過去の車内バトルから、印象的な(?)ものを取り上げてみよう。
 実は、他ならぬ僕自身が人に迷惑をかけた事がある。大学時代、僕は通学に往復4時間もかけていた。4時間と言うのは、とても長い。あまりに長いので、僕は大まかな車内活動スケジュールを作っていた。読書2時間、睡眠1時間、ウォークマン1時間…で、計4時間である。で、とある日、僕はいつものようにウォークマン(注:当時はまだカセットテープだった)を聞いていると、誰かが肩をポンポンと叩いた。隣を見ると、高校生の男の子が座っていた。彼は、おどおどしながら言った。「あの、ウォークマンの音が大きいので、少し下げた方が良いと思います…」。僕は、ステレオ・ヘッドフォンを耳から外した。確かに、けっこう音が漏れていた。「ああ、ごめん」。そう言って、音量を下げた。この時以来、勇気を振り絞ったであろう高校生の姿を思い出し、車内マナーを守るように努力している。


 さて、こちらが車内マナーを守って静かに過ごしたいと思っていても、残念な事に災難が向こうから降り注いでくることもあろう。今では、最も混む時間帯を外して電車に乗っているが、以前は猛ラッシュ時の電車に乗って通勤していた。そうなると、一週間に一度や二度は、間近でトラブルを見かける。たいていは、下らないことが原因だ。足を踏んだだの、背中を押しただの、どうでも良いようなことで、サラリーマンや学生が喧嘩を始める。トラブルは、正に日常茶飯事。毎日電車に乗っていると、なんとなくそういうトラブルの匂いと言うか、危なそうな人の存在が感覚的に分かってくる…そういう人は「トラブル起こしたいぜぇ!」「喧嘩売るぜぇ!」的オーラを放っているのだ(…余程、日常に不満があるのだろう)。そういう人の存在に気がつくと、僕は、その人から少しずつ離れたり、次の駅で何気なく車両を変えたりする。しかし、一年に何回かは、どうしてもトラブルに遭遇してしまう。数少なくない(はっきり言うと、けっこう多い)トラブルの中で、印象的な5つの出来事について語らせていただこう。

 最初の話。大学時代のとある日の話。僕が日中の電車に乗っていた時の事。僕の乗っていた車両は比較的空いていた。近くには、高校生6名と赤ちゃんを抱いた女性が座っていた。すると、高校生達が全員タバコを吸い始めた…よくいるツッパリ君達である。そう言う光景は日常茶飯事だったので、怪我をするのも嫌だしいつもは無視していた。ところが、6人分のタバコの煙が、赤ちゃんの方にも流れ始めた。周囲に注意しそうな人もいないので、僕が一番側にいた高校生に注意した。「小さな赤ちゃんもいるんだよ。電車内でタバコ吸っちゃダメだよ」。すると、その高校生はタバコを素直に消したのだ。それを見た残りの5人が、彼を茶化し始めた。「注意されてやんの。小さいからな、ガキ、ガキ!」とか、何とか。そこで、残りの5人にも言った。「君たちもだよ」。すると、何が起こったか!僕は腕に覚えはないし、高校生6人相手にしたら確実に袋(注:半殺し状態にされると言う意味)にされてしまう。と、次の瞬間!…何も起こらなかったのである。ツッパリ高校生達は、全員素直にタバコを消したのである。

 二番目の話。これはつい最近のお話。会社からの帰路、ラッシュ電車に乗ってしまった。ぎっちりと満員の電車。すると、物凄い音量のロックの音が聞こえてくる。日頃の通勤でも、イヤホンから音が漏れるのが気になることはままあるが、多少の漏れは我慢している。しかし、その時の密閉式でないヘッドフォンから聞こえてくる音は、ボリューム全開の半端じゃない音量だった。その音は、不運にも僕の斜め前の男のヘッドフォンから聞こえてくる。周りの誰もが、迷惑そうにその男をチラチラと見ていた。その男は、僕より背が大きく(ちなみに僕も175cmある)、左隣の中年サラリーマンも右隣のOLも、迷惑そうにしていたが注意できないでいる様子。「注意するの、嫌だなぁ。でも、降りるのずっと先だしなぁ。自分の前にいるしなぁ…」(←注:心の声)。仕方なく、僕は意を決して男の肩を叩いた。男は振り向いた。年は20歳代前半くらいか…私服だったから学生かもしれない…眉毛をきれいに切り揃えている。僕は、静かに言った。「満員電車ですよ。音を下げてください」。すると、その男は僕にガンをくれてきた(注:にらみつけると言う意味)。ああ、嫌だなぁ…喧嘩せにゃあならんのかなぁ…と思っていると、その男はボリュームを下げぬまま、また前に顔を戻した。「聞いてくれなかったか…仕方ないなぁ」(←注:やっぱり心の声)。ボリュームは、相変わらず最大限。ところがである。2つほど駅を過ぎると、その男は自ら音量を絞ったではないか!注意された時は逆切れ状態だったらしいが、時間が経って頭を冷やして自分の方に非があることを悟ったのだろう。

 ここまではバトルにならなかった編。次の話から、次第にバトルが激しさを増していく。

 で、三つ目の話。これも数年前の帰りの電車の話。珍しく帰りの電車に座れた僕は、本を読んでいた。とある駅で、ベロベロに酔っ払った60歳前後の中年サラリーマンがヨロヨロと入ってきた。すると、そのオヤジが僕の上にドサッと倒れてくるではないか!相手「おぉ、これはすまんねぇ…」、僕「いいえ、大丈夫です」。僕の隣の席がたまたま空いたので、そのオヤジは僕のとなりに倒れこむように座った。しばらくおとなしくしていると思ったら、突然その酔っ払いオヤジが僕の股間に手を突っ込み、顔を僕の股間に埋めようとし始めた(このエロオヤジ、今までどこで飲んでいたんだ!?)。俺は、あまりの突然の事に仰天し、エロオヤジの頭をヘッドロック(注:腕で頭をかかえること)して叫んだ。「エロオヤジ、何やってんだ!次の駅で降りろ!駅室行こうか!」。そこで、エロオヤジは一瞬で酔いが冷め、事の重大さに気が付いたらしい。「いやだ、放せ!」。オヤジは抵抗する。着てる服は上等で、どうやら会社の役員クラスと言った風体。普段は電車になんか乗らないし、人に頭なんて下げたことがない、と言うような偉そうなタイプ。自分が人に迷惑をかけても、絶対に謝ろうとしない。そのエロオヤジは、最後まで座席にへばり付いていて、電車から降りようとせず一言の謝罪もなかった。どこの会社のお偉方が知らんが、顔だけははっきり覚えているぞ、エロオヤジ!経済誌や新聞紙上なんかで、間違っても偉そうな訓示を垂れるなよ!


 さて、車内バトルは、いよいよ刑法に触れる段階へと突入していく。

 四つ目の話(昨年秋のつい最近の話)。帰りの電車で、またまたその日は運良く座れた(座れると、ろくでもない事件に遭ってしまうようだ)。22時を回っていて、疲れていたので僕はうつらうつらしていた。と、隣の男が何かモゾモゾしているではないか!見たところ、50歳半ばの中年サラリーマン。彼は、紙袋の下に不自然に手を隠している。一体、この男何をやっているのだろう?よく見ると、手にはデジカメが握られていた。次の瞬間、フラッシュが瞬いた。車内の人々は、一瞬何事かと思ったようだ。男の対面の席に目をやると、ミニスカートの女の子が座っている。そう、盗撮だ。この男、アホである。フラッシュを消すのを忘れたらしい。「何、盗撮してんだ!犯罪じゃねえか!次の駅で降りろ!」。現行犯である、彼に言い逃れの余地はない。「すみません!すみません!」、「それ(注:デジカメのこと)持って、警察行こうか」、「すみません、全部消します!」。全部?男は、プレイモードにして、一枚、一枚消し始めた。なんと、盗撮したのは一枚ではなかったのだ。たまたま、一枚だけフラッシュを消し忘れたらしい。寝ていた対面の女の子も、事の成り行きに気がついてバッグでスカートの前を隠した。男は、見ていてじれったくなるくらい、不器用に消去をしている。見ていた僕は、「おい、一枚ずつ消してないで、メモリーをフォーマットしろ!なんなら、俺がやってやろうか!」。男は、フォーマットの意味が分からなかったらしい。「全部、消します!」。男は、フォーマットの仕方すらわからないらしい…カメラの底ブタを外すと、メモリーカードを取り出して僕に差し出す。「いいから、さっさと消せ!」。デジタルカメラもまともに使えない、哀しき中年サラリーマンである。突然、彼のこれからの人生が頭をよぎった。会社では上司からガミガミと言われ、家でも家族から疎んじられている。現行犯の盗撮で捕まって、初犯でなかったら最低でも三ヶ月の禁固か。出社もできないから、当然会社は解雇。新聞やテレビのニュースにも実名で出て、家族は恥ずかしくて近所も歩けない…結婚していれば離婚か。そんな、悲惨な光景が頭の中を通り過ぎた。僕「常識ある社会人なら、二度とこんな事すんじゃねえぞ!」、相手「二度としません!」。僕は、今でもこの男を警察に突き出すべきだっただろうか、と思い返すことがある。「初犯でなく、常習犯だったら?」と。しかし、あの男の顔は覚えているので、また盗撮していたら、その時は証拠のデジカメと共に容赦なく警察に突き出すつもりだ。

 五つ目の最後の話は過去最大の車内バトルである。文字通りの、体を張ったバトル…数年前のお話し。日中、営業で地下鉄に乗っていると、とある駅で青年が入ってきた。なんとその青年は、入ってくるなりいきなり暴れだしたのだ!日中と言うこともあり、車内の人の数は少なかったが、それでも老人やご婦人の方々が乗っておられた。20歳代前半と思われる男は、車体や座席を蹴飛ばし、車内の中吊り広告を破り始める!どう見ても、尋常ではない。彼は、人がたくさんいるこちらに近づいてくる。青年の反対側には若いサラリーマンがいたが、ただ突っ立ってそれを傍観していた(どうしたらよいのか、分からなかったのだろう)。となると、それを止める一番近い男となると僕しかいない。危険オーラを発散している人間からは、絶対離れるようにしているのに、危険が向こうから近づいてくる!「ああ、なんてこった!嘘だろぉぉぉ!」と思いながらも、カバンをその場に置いて、僕は青年に突進した!青年が入ってきてから、僕がその男に突進するまで、おそらく2~3秒程度だったと思う。とっさの判断だった。暴れる男を車外へ突き出し、ネック・ハンギングロックを決め(注:首根っこを腕で抱える)、グランドに持ち込んだ(注:寝転がって、相手を動けないようにする)。僕は、大声で叫んだ。「駅員さん!、駅員さん!」。不運なことに、右を見ても左を見てもホームに駅員の姿はなく、駅員を呼びに言ってくれる客も歩いていない(乗降客がほとんどいなかった)。車両が一両目の前の方だったので、運転手には聞こえていたはずだが、降りてこなかった(運転手は、運転席を絶対離れてはいけないと言うような、規則でもあるのだろうか?)。あと、数秒で電車のドアは閉じてしまう。僕のカバンは中だ。助けがまったくない、孤立無援の状態だったので、ギリギリのタイミングで車内に戻る決意をした。ワン、ツー、スリー!僕は、暴れている青年の首から腕を放し、立ち上がって車内へ飛び込んだ!次の瞬間、ドアが閉じる。間一髪、セーフ。すると、青年の反対側にいた先程の若いサラリーマンが、僕に言った。「それで、良かったと思いますよ」…僕の空いた口が、ふさがらない。「だったら、おまえも手伝えよ!」(←注:これも心の声)。それにしてもさっきの青年、ナイフとか持ってなくて良かったぁ…。持っていたかもしれないが、少なくとも彼が取り出す時間がなくて良かったぁ…。しかし、ホームに誰もいないと言うのは、困ったものである。


 ざっと見たように、車内での迷惑行為と言うのは色々とあるが、対応策は2パターンあると思う。まずは、軽微な迷惑行為に対して。イヤホンから漏れる音が大きいとか、携帯電話で話をするとか。迷惑をかける人物が自分の近くにいて、かつそれがひどい場合にのみ注意するようにしているが、その場合もなるべく静かに諭すように言うようにしている。これがけっこう効果的で、注意を受け入れてくれるのだ…不思議と。怒鳴りつけたりすると逆効果のようで、特に友人達と一緒にいる場合は、ヘタレ(注:情けない奴の意味)と思われたくないからか、いきがったり、逆切れする場合も多いようだ(たまに頑固そうな中年サラリーマンが若者に怒鳴って、事態を余計に悪い方向へ進めている光景をよく目にする。たいていは、喧嘩へと進展していく)。友人が、友人に対して、何気なくそっと言うような諭し方が効果的なようだ。
 もう一つは、明らかに刑法に触れる迷惑行為の場合。車内暴力や痴漢、盗撮などが、これに当たるだろう。日頃からそういうことをしそうな人の側には寄らないようにしているのだが、運悪く遭遇してしまったら、徹底的に威圧的な態度に出ることにしている。人間は自分が不法行為をしている時に、突然大声を出されるとひるむらしい。一瞬にして、たいていの場合萎縮する。それに畳み掛けて、威圧を続ける。こう言う場合は、警察(もしくは駅事務室)に突き出す事を念頭においている(まだ、突き出した例は無いが)。威圧している間も、協力してくれそうな人がいないか、できる限り辺りを観察している。いずれにしても、あまり出くわしたくないシチュエーションではある。
 何年か前、ドア付近でしゃがんで騒いでいる若者達を注意した銀行員が、殺されてしまった事件があった。正直言って、最近は迷惑行為を注意するのに躊躇してしまう。危険が大きいからだけではなく、周りの人がまるで他人ごとのように傍観しているからである。これからも、車内では極力危険に近づかないようにするつもりだが、これだけ大不況でみんなの心がすさんでいると、迷惑行為や犯罪行為の件数がどんどんが増えそうだ。困ったものである。


追記:これを書き終わってから数日後、韓国での悲惨な地下鉄放火事件のニュースが飛び込んできた。百名以上の方々が亡くなる悲惨な、事件となってしまった…。犯人は、自殺をするにあたり人々を道連れにしようとしたのだ、と伝えられる。このニュースを聞いて、オームの地下鉄サリン事件を思い出した方も多いのではないだろうか。僕もあの日、地下鉄に乗ろうとしていたが、乗る前に電車が止まってしまった。通勤時間だったので改札には人が溢れ、駅構内に流れるアナウンスの内容は、刻々と変わっていった。築地駅で灯油が撒かれたとか、日比谷駅でどうしたこうしたと、今思えばまったく的外れな情報ばかりであった。予期しない事件が起こると、皆動転して、何が起こったのか(※正しい情報の伝達)、どうすれば良いのか(※正しい指令や判断・行動)等が、分からなくなってしまうのだろう。これからの時代、通勤や通学でバスや電車を使用する人は、日頃から(物理的な備えは無理でも)精神的な備えが必要なのだと思う。
 地下鉄サリン事件や韓国の地下鉄放火事件で、被害に遭われた方、またそのご家族の方々の心が癒され、慰められますように。



追記:2003年9月30日/車内迷惑行為や犯罪に対する刑法の量刑について

暴力行為/懲役10年
刑法 第204条 傷害罪
…人の身体を傷害した者は、10年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
刑法 第208条 暴行罪
…暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

痴漢/懲役7年
刑法 第176条 強制わいせつ罪
…13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上7年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。


破壊/懲役3年
刑法 第261条 器物損壊罪
…他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

※「(社)日本民営鉄道協会/警視庁/国土交通省」車内広告及び駅ポスターより抜粋


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