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7.中学生以降・そのⅡ (2018年 3月28日記載)
前回、「中学生以降・Ⅰ」を書いてから12年も経ってしまいましたが、ようやく「その2」を書きます。何故12年も空いてしまったかと言うと、中学生の子供を持った経験がなかったからです。ようやく上の子も高校受験を終えて4月から高校生で、下の子は春から中学2年生。そのような訳で、私も色んな経験をしてきて「抽象的な本質論」でなはく「具体論」が書けるようになったので、今回具体論としての「パート2」を書くことにしました。
・部活(運動部)と中学校生活
長男は緩い活動の文化部に入ったのですが、娘は超きつい運動部に入りました。普通の運動部レベルでなく、とても強いチームで市の大会では常に優勝し、県南大会も勝ち、県大会出場常連校です。娘は小学校まで文化部だったのですが、初心者でそのような厳しい運動部に入ってしまいました。
強いチームですので、練習も厳しいですし、コーチも怒鳴るような日本でありがちな中学校運動部環境です。練習内容がハードなだけでなく、休みがテスト期間中以外はほとんどありません。土曜はもとより、日曜も練習です。そう言う状況だと、弊害が起こり始めます。
①部活以外の事が全ておろそかになります。まず成績が下がります
ハードな練習でグタグタに疲れて帰宅するので、帰宅後爆睡します。宿題は二の次、三の次になり、勉強しなくなるので、部活の仲間の多くは成績が低くなります。マジで。うちの娘は、がんばって夜遅くまで勉強時間を保っていますが、部活の仲間はうちの娘の宿題を丸写しと言う状況です。宿題はそれで一応はカバーできますが、試験だけは見せてもらう訳にはいかないので(カンニングになるので)、当然の帰結として赤点の散々な結果になります。プロを目指しスポーツ特待生などを目指すならともかく、多くの部員はそうではなく普通受験で高校進学を目指すので、親はそこをしっかり見ておいてあげないと中学3年生になった時に親子揃って後悔することになります。
②家族関係が壊れやすくなります
部活以外のことが疎かになるのは勉強だけではありません。土・日も部活なので、家族と過ごす時間よりも部活仲間やコーチを過ごす時間の方が長くなります。そうなるとどうなるか?親の言うことではなく、怖いコーチの言うことを優先する傾向が生じます。「こう言われた。」「こうしなきゃいけない。」…厳しいことを言われながら体を酷使するので、洗脳に近い状態になります。
また、親に甘やかされて金銭にルーズで金遣いの荒い部活仲間がいると、それに影響を受けて金使いが荒くなり態度も横柄な傾向も出たりします。「〇〇ちゃんは買い物に行くたびに、欲しい物を1万円も買ってもらえる」「〇〇ちゃんは〇〇ランドに行った」と言うように、親への要求がエスカレートします。中学生の女子は、持ち物や衣服が友人より劣っていることに我慢ができません。親はきちんと、小学生に対するように「よそはよそ、うちはうち」指導を続けねばなりません。
また、給食日以外の祝日や土・日も練習があるので、早朝の弁当作りも大変です。1年は52週しかないのに、夫婦で年間50回以上お弁当を作っています。我が家は、共働きなのでこれはこれで大変です。
③子供の体が壊れます
土・日も練習なので(勉強できないだけでなく)、とにかく体を休める時間が子供にありません。私も高校時代そして大学時代と運動部でしたが、ハードな練習をしたら体を休める期間が必要となります。そうでないと筋肉が増強・補強されるどころか、筋肉が壊れてしまいます。休息が必要だと言うのは運動をする人には現在は当たり前の常識だと思いますが、何故か中学校の現場にはそう言う常識が欠落しているようです。
これは生徒の生活だけの問題ではなく、先生方の生活にも影響があるはずです。先生の部活指導は、いわゆる無報酬のボランティアです。その奉仕活動に休日の時間も捧げて、家にいる奥さんや子供はずっと放りっぱなしです。絶対におかしいですよね?それで良いはずがありません。
これは、モンスターペアレンツの悪影響もあります。(子供と同じスポーツをしていた)生徒の母親は、采配ミスなどがあると悪し様に先生コーチを客席から罵倒します。また「弱いのは練習がなってないからだ!」とか。私に言わせると「お前、何様のつもりだ?お前がコーチに給料払っているのか?」です。実際のところ、自分の学校だけ日曜を練習休みにしても、他の学校は続けるでしょう。そうすると、「他の学校が強いのは、こっちが日曜の練習休んでいるからだ!」と怒ります。だから、どの強豪校も日曜練習から誰も降りられないチキンレースとなります。当のコーチ先生は「俺はみんなを強くするためにやっている!」と言う使命感(ないし恐怖感のプレッシャー)でやっているとしても、生徒や家族はいい迷惑です。
そして、ついに生徒である子供たちの体が、疲労で壊れます。中学生にして、披膝が壊れます。脚を痛めます。腰を痛めます。これだけ故障者が多いと、試合どころではありません。うちの子も腰を痛めて、苦しみました。昭和の選手の時代じゃないんだから、練習し過ぎで体壊すなんて正に本末転倒です。
しかし、やはり「休日の練習は絶対におかしい!」と言う声が全国的に高まってきて、署名活動なども行われ、日曜の練習は禁止の方向に動いてきたのは、良い兆候だと思います。全国で「一斉に止める!」としないと、絶対に抜け駆けする学校が出ますから。僕らが部活をしていた頃は、「練習中に水を飲まない」とか、体に悪影響のある「補強運動」とかの非科学的な根拠のない根性論がまかり通った時代ですが、今はそんな方法では強くなれないことは皆分かっています(いるはずです)。子どもの成長にあわせた、きちんとした科学的な方法論で指導していってほしいと思います。
子供の生活態度があまりにひどくなったり、成績が落ちたり、体を壊すようであれば、例えモンスターペアレンツを敵に回したとしても、自分の子供を守るために先生に相談すべきだと僕は思います。
・高校受験
さて、話を高校受験の話題に変えます。先日、息子が高校受験を終えました。感謝なことに、私立高校も第一志望の公立高校も、両方合格しました。現代の高校受験は、僕らの頃の受験とは随分と様変わりしました。受験制度や試験問題の傾向は時代と共に変わるのでここで細かいことを書きませんが、高校受験において「必要だな~」と思ったことを書きます。
①受験システムや試験内容に合わせねばならない
高校受験には、もちろん基礎学力が必要です。中学校で習う勉強の基礎ができていないと、当然、試験問題が解けるはずがありません。それを前提に話を進めます。
私の住む県内に限定された話になりますが、公立高校と私立高校では出題の傾向が異なります。公立校と私立高校(特に難関私立)では、勉強の内容が異なっています。公立高校はいわゆる難関校であっても、中学校の基礎勉強を柱にした試験問題が出されていました。ところが、昨年からこの方針が変更されました。公立高校も、「難関私立高校並みの選択問題を採用して良い」となったのです。その結果、県内約150の公立高校の内、20がこの選択問題を受験に採用しました。偏差値で「60半ば~70以上」までのいわゆる難関公立高校がこの選択問題を採用したのです。その20校の発するメッセージは明らかです。「公立高校だけど、うちも難関私立高校並みに厳しくなるからね。この試験を合格できないようなら、うちに来なくて良いからね」と言うシビアな線引きのメッセージなのです。
なので、偏差値では大きな差が無かった公立高校も、選択問題を採用した所とそうでない所は今後大きく偏差値の差が開くでしょう。
難関私立&難関公立高校を目指すには、今後は学校の勉強の基礎学力だけでなく、けっこう難しい応用問題も解けるように勉強しないといけないと言うことです。
内申書の評価についても書いておきます。まず、高校の合格は、内申点と当日の試験点数の合計点で決まります。合格点に締める内申点の割合をどれだけの比率にするかは高校ごとに異なりますので、受けたい高校を事前に調べておく必要があります。
内申点は中1の成績からしっかり反映されますが、中1、中2、中3の成績の比率は異なります(例:「1:1:2」「1:1:3」「1:2:3」など)。これも高校毎に異なりますので、事前に調べておく必要があります。
また、内申点のうち、通知表、部活動、検定、委員会活動など、どの部分をどれだけ評価しているのか高校によって異なるので、これも調べておく必要があります。
②基礎学力の底上げをするには
とは言っても、その前に基礎学力が身についていなければ、受験では話になりません。中3の勉強で躓く人は、中2の勉強内容が分かっていません。中2で躓く人は、中1の内容が分かっていません。中1からちゃんと勉強してこなかった子は、遠回りに思えるかもしれませんが、分からないのに先に進むぐらいなら、分からないことを分かるようになるまで復習した方が良いでしょう。
上でも述べたように内申点は中1の成績から反映されるので、取り返しがつきません。後で後悔しないように、中1から勉強しておきましょう。中一で成績が悪かった人は、しっかり復習をしましょう。
余談ですが、僕のお薦めノート作成方法ですが、見開き2ページの右側を学校(教科書)で習うことの記述、左の上半分を予習、下半分を復習(分からなかったことをメモし解決方法を書くなど)に使うと良いと思います。
問題集は、分厚いのは挫折するので、薄い問題集をやり遂げて達成感を得る!(笑)。終わったら、次の薄い問題集に移行する。それを何度も繰り返す。すると、「あれ、この問題、前にも似たのを解いたぞ!」となり自信につながる。また、一日で「よし、数学一気に20ページやっちゃおう!」などと思わない。それだと調子のよい時はやるが、気が向かないと全くやらなくなる。調子良かろうが悪かろうが、一日3ページと決めたら1日3ページでおしまいにしてきっちり1週間でやり遂げる…そう言う勉強習慣をつけるようにしたら良いと思います。
あと、学校の定期試験や入試の模試などは、やりっ放しにしない。新しい問題に挑むより、こっちの方が大事。間違えた個所を調べ、何故間違えたかを認識し、正しい答えを導けるようにすること。これ、とても大事。その高校の過去問題も同様。間違えたら、絶対に見返すこと。模試や過去問で出た問題は、高確率でまた似た問題が出ます。
③高校受験準備の心構え
実際に希望する高校を受験するまでに相当な期間があり、初めて受験を体験する子供にはかなりのプレッシャーでしょう。そこで、自分の成績よりも低い高校を第一志望に選択してしまう子もおります。これは気を付けた方が良いでしょう。
うちの子は、模試の結果よりも偏差値で5~7も低い高校を第一志望にしました。「そこにしか自分の行きたい科がない!」「もしくはそこの部活で全国を目指したい!」とか言うのであれば話は別ですが、単に「難しい選択問題を採用する公立高校の受験に自信がない」との理由でした。
自分の将来のビジョンを具体的に描いて高校を受験をする子は少なく、自分の学力レベルに合わせて高校を選択する子が多いでしょう。もし、今の自分の模試結果よりも低い学力の高校を第一志望にしてしまうと、「まあ大丈夫だろう…」と勉強に身が入らず、その高校すら受からない危険が生じます。何故なら、他の子も数か月をかけて勉強し追い上げてくるのですから。
その危険を前もって察知していたので、息子には「選択問題採用の高校はハードかもしれないけれど、高い目標を持った方が良いよ」とアドバイスしました。結局、目標を「選択問題採用高校」に設定し、勉強を頑張って、結果として私立高校も、第一志望の公立高校も受かりました。個人差はありますが、どうしたって合格人数限りのある受験ですから、ある程度のプレッシャーは避けられません。プレッシャー込みの受験である、認識しましょう。
④塾は必要か?
多くの中学生ないし親が悩んでいるのが、「塾は必要か?」と言う問題です。僕の答えは、「何とも言えない」です。自分で勉強する子は、塾に通わずとも勝手にどんどん勉強して難関校に合格します。塾通いはかなりのお金がかかりますので、親としては悩みどころでしょう。
強いて言えば、勉強の方法論が分からない、つまり「どう勉強すれば分からない」子には、塾が必要かもしれません。そして「親もどう教えて良いか分からない」場合も含めて。うちの子の場合は、やはり勉強が上手くはかどらず自ら「塾に通いたい!」と言って通いました。
★塾の良い路ところ:手取り足取りと言うと大げさですが、最近の塾は懇切丁寧です。ビジネスライクで、何が望まれているかを熟知して商売しています。受験に特化しているものの、その丁寧さは学校の比ではありません。学校の授業は、学力のある子もない子も一緒に授業を受けるので「どの子に授業のレベルを合わせているのか」と言う問題が常に生じます。学校においては、できる子は信号での一時停止を強いられる事もしばしばです。塾は違います。学力や目指す高校のレベルに合わせて、クラス分けがきっちりなされます。非常にドライですが、確実です。分からなければ、とことん教えてくえます。学校の先生は、自分の授業科目だけでなく、自分のクラス運営や部活動奉仕、その他種々雑務に追われて、塾の先生のようには対応できません。
★塾の悪いところ:塾は、勉強方法や試験の出題傾向などHowto的な事を指導してくれますが、これが通用するのはこれからの時代は高校までです。これからも大学受験のための塾や予備校は存在し続け、大学受験のためのノウハウを教えてくれるとは思いますが、これは日本と言う閉鎖的な社会で通用する異常な勉強康方法及び受験方式であり、グローバルな社会では通用しません。実際、日本のトップの東京大学ですら、世界ランキングのベスト30にすら入っていないのが現状です(世界大学ランキング2016-2017年版)。日本型の大学受験をクリアーして入った名門大学ですら、グローバル社会では通用しないのです。これからの時代は"HowTo的な受験"をクリアーした人間では、世界では通用しないのです。詳しくは、下記のティータイムに書きましたが、これからは「自分で勉強し、自分で考える」人間が必要とされる時代です。会社のシステムに順応する歯車型人間ではなく、自分で新しい道を切り拓いていく突破力や想像力、対応力がある人材が求められているのです。
塾と言うのは、短期間で見れば確かに確実で安心な気もするでしょうが、対処療法の薬のようなものです。長い目で見れば、自分で勉強し悩み突破する力を付ける方を選んだ方が、今後の時代に相応しい気がします。これからの時代は、消失する業界が増大し間違いなく失業率も上昇すると考えられます。あのシャープや東芝ですら、皆さんご存知のような状況です。会社自体がどんどん小さくなったり無くなったりするのですから、「寄らば大樹の陰」はもはや不可能になります。むしろ「鶏頭となるも牛尾となるなかれ」の時代です。その中で生き残るのは、自分で学び、考え、突破する力です。
最後の方は、高校受験の話からやや脱線しましたが、今後社会はそう言う方向へシフトするのだろうなと言うことで、中学時代から考えておいた方が良いと思い、敢えて書きました。
前回の「抽象的な本質論」に続いて、今回はより具体的な「部活との付き合い方」および「高校受験」について書きました。今後、高校以降の事を書くかどうかは、子供達の高校生生活をじっくりと観察した後で考えます。
ティー・タイム/2021に大学受験が変わる
3年後に大学受験が一変する。ざっくり言うと、グローバル社会に対応できる人材育成へのシフト。
今までの知識を問うマークシート方式はおしまいとなる。知識にプラスして個人の思考力や現実的な対応力や発想力を問う記述式へ。日本的な年功序列型会社システムに組み込まれる歯車人間ではなく、自分で新しい世界を切り拓いていける(事業を興せる)人間育成へのシフトと言うことらしい。日本で、ゲイツやジョブスやザッカーバーグのような突破力のある人材が誕生せず、グローバル社会で置いてけぼりになりつつあることへの反省や焦りなのかな?
記述問題は、例えばだけど「国際紛争への対処」「死刑制度の是非」「クローン技術の倫理的課題」「環境問題の解決」等々、大人でも答えが出せないような問いに自分の考えを述べねばならない。 様々な方面の知識と、多面的(多角的)にみた思考、それを自分なりにまとめ上げる方法論も必要となる。英語もより実践的な外部の…例えばTOEICなどの点数を代用することとなる。かつての受験How to的な塾的な勉強方法は次第に通用しなくなる。そう言うHowto勉強では、i-PadもFaceBookもGoogleも誕生し得ない。まあ、今まで日本がおかしかったのであり当たり前のことなんだけど、「自分で考え、自分で勉強する」時代への変換。
ちょうど息子の代からこの試験制度に切り替わる。
親の私は「入学まで少しは遊べ!」と言っているのだが、息子は高校の大量の課題をこなすため、毎日図書館に通って午前10時から午後8時まで毎日勉強している。1学期の中間で、既に挫折する生徒もいると聞く。僕らの時代のような比較的のんびりした牧歌的な入学までの雰囲気は、今の進学校にはないようだ。 昨日は図書館が休館日だったので、夜8時まで10時間もコメダでねばったらしい。途中で再注文入れるなどして、追い出されずに済んだらしい…意外と根性があるようだ(笑)。今日も図書館に出かけて行った。