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1.教育について考える…初めに (2003年9月1日記載)
さて、教育について考えるシリーズのスタートです。教育…「教え、育む」と言う事。今の時代ほど、この教育が大切な時はないのではないかと思います。登校拒否、切れる子ども、いじめ、学級崩壊、家庭内暴力、自殺…後ろ向きな文字が、マスメディアを覆っています。凶悪犯罪も増加の一途を辿っています。崩壊の危機に面した政治、経済、社会を建て直すには、結局は国の根本を形作る"教育"を建て直す以外に道はないと思うのです。
…と、大上段に構えた事を言っていますが、自分が関われるのは、所詮自分の子どもと、周辺の僅かな数の子ども達のみ…。無責任に政治家や文部省や学校、教師に対する不平・不満を言うのはたやすいですが、今、自分が一児の父となって、自分自身が果たしてきちんと子どもをしつけられるのか、その責任の重さを日々感じています。過去、私は日曜学校の教師を13年間勤めましたが、週にたった一度子供達と関わるのと、毎日ずっと子どもと共に過ごすのでは、実際のところ大きな相違があります。毎日ミルクを飲ませ、一緒にお風呂に入り、遊び、添い寝するのです。どうしたって、違ってしまうのです。今、私の子どもは、まだ6ヶ月を過ぎたばかりですが、これから長年に渡りこの子を育てていくわけです。そこで、今一度ここできちんと教育について、考えてみようと思うのです。
ただし、「考える」とは言っても、無味乾燥な屁理屈を並べ立てようとは思いません。「机上の空論」は"大嫌い"です。過去自分が子供時代にどんな事を感じてきたか、これから具体的にどう子供と関わっていくか、など経験的・実践的な事を交えながら考えていきたいと思います。以前、テレビの討論番組で、有名(らしい)な教育評論家と、現役の中学校の教師が討論していましたが、まったく会話が噛み合いませんでした。その教育評論家は、一度も教育現場に携わった事がなく、部屋に閉じこもって研究ばかりしている人でした。彼は、子どもは元々「善」なのだから、話して聞かせば良い子になる…と言う理屈の一点ばりでした。一方の現役教師は、学校教育現場の過酷さ・たいへんさを良く知っています。教師間の意見の相違・確執、子供達の残酷さや悪賢さ、わがままな親の意見などを、良く知っています。だからその教師は、教育評論家の言う理屈が、実効性のまったく望めない空論なのをよく知っているのです。僕ら親が求めるのは、教育評論家の"机上の空論や屁理屈"ではなく、子育てを実際にしてきた親や教育現場の教師の"活きた智恵と経験"だと思います。
もちろん研究者たちが、教育や生活の現場で親や子供達と共に真剣に取り組んでいる、最先端の研究事例も大切です。それらは、教育評論家の単なる机上の空論とは違い、我々親が耳を傾けるべき重要なデータを提供してくれます。そこから子供達の教育に対する貴重な知恵を拝借することも、子育ての上で大切でしょう。
私自身も、五里霧中・暗中模索の中ですが、実際に子育てをしながら、教育について考えています。また子どもの教育だけでなく、これからの自分自身の教育、つまり大人の教育…生涯教育…についても考えていけたらと考えます。そんな思いを込めて、このシリーズを展開できたらと思います。
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