日本におけるキリスト教の伝道 1
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1.はじめに
この日本において、明治維新期以降、1859年のアメリカ長老教会、アメリカ聖公会、アメリカ・オランダ改革派教会、パリ外国宣教会の日本伝道開始を皮切りに、今日まで(※伝統的なキリスト教会から異端ないし異端的と目される教派も含めて)240以上もの教派ミッションや団体が日本での宣教を行なっている。
これだけの教派や団体が日本での宣教を行なってきたにも関わらず、日本のクリスチャン人口は、全部ひっくるめて未だ1%に満たないと言われる。これは、ある意味凄い事である・・・低成長と言う意味においてであるが・・・。
考えても欲しいのだが、海外から日本に宣教師を送って活動をするのに、宣教師の生活費や家賃、宣教活動費など一切合財含めると、諸外国に比べて物価の特に高い日本では、年間一人当たり最低でも1千万円以上かかるのは間違いないだろう。数人以上の宣教師を送っているミッションなら、数千万円以上の宣教費を負担しているだろう。数多くの教派や団体が、それぞれ日本に宣教師を送っている事を考えると、一体年間何十億円の宣教費用が日本の伝道に費やされているのであろうか?
そして日本には、宣教師の数より遥かに多い日本人の牧師や伝道者達が活動している。過去、どれほどの人的資源と財的資源がこの日本の地の伝道に費やされた事であろうか。単に事業として見るならば、全体で未だシェア1%と言うのは、残念ながら失敗と言わざるを得ない。もし一流の大企業が、年間数十億円の費用をかけて、数千人の人間を費やして、業界のシェアが1%に満たないのであれば、明らかにその事業は失敗であると判定せられるのは仕方ない事であろう。
では、何故、日本における伝道は遅々として進まないのだろうか?キリスト教の教えが陳腐なものなのであろうか?もしくは、すべての宣教団体の方策や宣教師自体に問題があるのであろうか?答えは"否"と言って良いだろう。何故なら、アジアやアフリカ等のいくつかの国々においては、宣教活動は順調に進んでおり、キリスト教の教えは受け入れられ、信者の数も増えている。同じアジアの同胞である隣国の韓国では、クリスチャン人口の全人口に占める割合は、3割とも4割とも言われる。
同じ宣教団体から送られてくる宣教師が、他の国々では成功を収め、日本ではなかなか上手くいかない。とすると、キリスト教の教え自体や宣教師の側に問題が有ると言う事よりも、どうやら"この日本と言う国"に何かしらの"伝道の進まないこの国特有の原因"がありそうである。このシリーズでは、「伝道とは何か?」と言う根本的な問題はもちろんの事、この日本と言う国の特殊性について考察し、福音の宣教がこの日本においてどのようになされるべきなのか、どうすればこの1%と言う枠を乗り越えて更に伝道を拡大する事ができるのかについて、色々な方向から考えていきたいと思う。
さて、このシリーズでは、大きく二つの視点から"日本での伝道"を考えてみたい。
前半では、福音宣教の中身や目的、伝道の主体や担い手、そして対象が誰かと言う問題など、"聖書が教えている福音宣教"について考えてみたい。そして後半では、その福音宣教を伝える対象である"この日本"と言う国に具体的に焦点を当てて考察したい。前半部の"福音宣教"や"伝道"の論理について、神学者や牧師が書いた本と言うのは、それなりの量が巷に存在する。一方で、福音を伝えるべき日本について、(伝道する者の立場から書いた)体系だったまとまりのある論述がなかなか発見できないでいる。
このシリーズでは、前半部は神学者の著述にその詳細を譲って簡潔な記述に留め、後半部の"日本についての考察"に重点を置いて考察していきたいと思う。
(2007年12月16日記載)
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