そっくりさん車特集!!

(2003年8月24日記載)

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 さて、世の中には、偶然にも似てしまった車と言うものが存在する。そんな車を集めてみた。メーカーが全然違うのに、そっくりな車ってけっこうあるんですよ、これが。ちなみに、このコーナーではパクリ(※盗作の事)は取り上げません。念のため。

正統派そっくりさん

 さてさて、まずは下の二枚の画像を見ていただきたい。どう?そっくりでしょう…でも、同じ車ではありません。往年のイギリスの名車"ジャガー・マークⅡ"と国産の"光岡ビュート"です。「えっ!これは、絶対パクリ(※盗作)でしょう!」と思いました?しかし、パクリではありません。

←ジャガーMrk.Ⅱ 光岡ビュート→

 ちなみに、ビュートの中身は日産のマーチ(二代目)でした。光岡は、日本の最も新しい自動車メーカーですが、さすがにシャーシーやエンジンなどを開発する資金や設備のゆとりは無く、他社の物を融通してもらっています。このビュートと言う車、以前に本気で購入を検討したことがあり、カタログと見積もりを送ってもらいました。だって、外観はジャガー・マークⅡなのに、中身は日産マーチ…メンテナンスとかも安心ではないですか。まあ、結局は別の車を買ったのだけど。ところで、光岡はオリジナルのデザインも優れています…念のため。

←ミニ・クーパー ミラジーノ→

 今度は、イギリスの名車"ミニ"。そして、右の画像を見て下さい。これは、ダイハツのミラ・ジーノ。そっくりでしょ!それもそのはず、ジャガー・マークⅡと同様、ミニっぽくデザインしていることを公表している正統派のそっくりさんなのです。ちなみに、本物のミニは2枚ドアだけど、ミラ・ジーノの方は4枚ドアでとても便利。しかも軽自動車で維持費も安い。これで、ミニ気分を満喫できるのだから、言う事無いでしょ?ミラ・ジーノのフリークって、けっこういるみたいですよ。ただし、デザイン性を優先している分、最近のワゴンタイプの軽自動車のような居住性や荷室空間はあまり期待できない。でも、ちょっと欲しい車。

 ちなみに無断でデザインを盗作するとどうなるかと言う判例が、既にある。十年以上も前の話だが、ある自動車パーツ製作をしている会社が、サバンナRX7をポルシェ924のデザインにしたり、トヨタMR2をBMWM1のデザインにしたりする等のキットを数種、販売していた。ところが、当然メーカー側からクレームが付き裁判へと発展。パーツ会社側は、「BMWのM1なんて、そもそも世の中にほとんど無い車だし、誰も本物なんて思わない」と言うような主張をしたが、結局認められずに全面的に敗訴。過去取り付けを行った車両を全部元に戻すと言う、気の遠くなるような手間とお金のかかる判決を受けたそうな。車のデザインにも、きちっと意匠があり盗作は許されないのである。


国産車同士のそっくりさん

 自動車業界には、OEM供給と言うシステムがあります。自社で作っていないタイプの自動車を他社から供給してもらって、自社のブランドとして販売すると言う方法。例えば、スズキの"MRワゴン"を、軽自動車を作っていない日産がちょっとだけいじくって"モコ"として販売したり、スズキのワゴンRをマツダがAZワゴンとして販売する、等という例がこれに当たります。こう言う車は、"そっくりな車"とは言わない…そっくりではなく、"同じ車"なのである。
 こう言ったOEM供給車ではないのに、世の中には"たまたま偶然に"似てしまった車が出てくることがあります。同じ日本と言う環境で、同じ購買層をターゲットにしているので、似てしまうのは当然と言えば当然、と言えなくもないのだけれど…。

←ワゴンR ムーブ→

 スズキがワゴンRを出して、大ヒット。しばらくして、ダイハツがムーブを出してきました。上の二枚の画像を見比べて下さい。まあ、枝葉末節はもちろん違うのだけど、全体のフォルムが、なんかすごく似ている。特に、初期型の2枚ドアタイプ同士を見た時には驚いた!偶然に似てしまったとは言え、こんなそっくりでいいのか!と…(くどいようですが、このコーナーではパクリは取り上げていません。念のため)。もっとも、現代のワゴンタイプの軽自動車は、どれもこれも大同小異、似たり寄ったりなのだけれど…。

←クラウン セドリック→

 上記の例だけが特別なのではなく、そっくりな国産車はけっこう多い。僕が長らく判別できなかったのが、トヨタクラウンと日産セドリック。国内のタクシーは大半がこの2車種なのだが、本当にそっくり。例えば、ドイツの高級セダンのメルセデス・ベンツのSシリーズのタクシーと、BMWの7シリーズのタクシーが並んで客待ちをしていたとする。この二台なら、百メートル離れていても、少なくともベンツとBMWの違いぐらいは判別できるだろう。しかし、百メートル先にセドリックとクラウンのタクシーが並んで客待ちをしていたら(もともと興味が無いせいもあるが)、まずどっちがどっちだか分からない(車種が分からないのだから、当然メーカーも分からない)。近くによって、エンブレムやロゴマークを見て、初めてトヨタのクラウンか日産のセドリックかが分かるのだ。偶然とは言え、そっくりなものだなぁ…と感心してしまう(もっとも、最近はあまりにタクシーを観察したせいで、離れていてもかなり判別できるようになった)。

←Bb キューブ→

 しかし、トヨタと日産は昔からそっくりさんな車が多い。最近では、トヨタBbと日産キューブだろうか。偶然にも似てしまったとは言え(本当にくどいようですが、パクリは取り上げません)、どうしてこうも似てしまうのだろう!細かいデザインは違っても、コンセプトと言うか、全体的なフォルムがそっくりになってしまう。トヨタ・アルファードと日産・エルグラントも、けっこう似ている。このトヨタと日産の似てしまう現象だが、最近では個性で売っていたホンダ車までもが、トヨタ車、日産車に似てきている…偶然とは言え…。国内ビッグ3が、偶然とは言え(←くどい)、シェアの食い合い・潰し合いをしているのは、あぁ、もったいないなぁ。
 ああ、そう言えば、ホンダのフィットと三菱コルトも似てるなぁ。寸法は規格ものだからともかくとして、全体のフォルム、そしてウィンドウ・ラインの流れに至るまで似ている。要は、国産車はメーカーを問わず、全部似る傾向があると言うことなのかなぁ。偶然とは、恐ろしいものである。

←コルト フィット→

外車と国産車のそっくりさん

 さて、そっくりなのは、何も国産車同士だけではない。地球の裏側で作った車と日本の車が、偶然似てしまうことだってあるのだ。まあ、何処の国にも同じような事を考えている人間がいると言う事か…。下の画像を見ていただきたい。ホンダのトゥデイと、フランスのルノー・トゥインゴである。偶然とは言え、フォルムがそっくり。ただし、トゥデイは軽自動車で、トゥインゴは普通自動車。ホンダの名誉のために言っておくと、トゥデイの方が先に発売されました。

←トゥデイ トゥインゴ→

 これよりもそっくりなのが、下のアウディTTとダイハツのコペン。

←アウディTT コペン→

 もちろん、ライトやグリルなど細部は違うのだが、デザインの全体的なラインはもう本当にそっくりなティアドロップ型。偶然とは言え(←ここまでくどいか!)、このそっくり度合いがあまりにも激しいので、ダイハツ側が記者達にその事を突っ込まれたらしい。ダイハツ側は、「ティアドロップ型は、ダイハツの方が先にオプティで採用している」と言うようなコメントを残しているそうです。ちなに、オプティとは、次のような車です。
←これがオプティ
 偶然にもスタイルが似てしまうと、会社の応対もたいへんですね。でも、僕はアウディTTもダイハツコペンも、両方大好き!両方とも、十分個性的です。
 さて、これから先、どんなそっくりさんな車が登場してくるのかな?まぁ、僕自身は、みんなと似てしまう没個性的車よりは、オリジナリティに溢れる唯我独尊的車の方が好きなんだけどなぁ…。


マイコレクションより"ルノー・トゥインゴ"

マイコレクションより"アウディTTクーペ"

マイコレクションより"ダイハツ・コペン"


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