このコーナーで三菱の自動車を取り上げない理由
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この名車を紹介するコーナーは、国の内外や年式の新旧を問わず、色々な名車を取り上げています。けっこう長らく続けておりますが、過去にまだ三菱自動車工業株式会社(以後、三菱or三菱自工と略す)の車は取り上げておりませんし、この先もしばらくは取り扱わないことにしております。
実は、三菱の過去の名車達も、街中や博物館などで苦労してたくさん写真に収め、多くの資料も収集し、このコーナーに載せる準備も着々と進めておりました。往年の名車、コルト500やギャランＧＴＯ、そして最近ではＦＴＯや、ランサー･エボルーション、こう言った名車の写真を撮りためておりました。しかしながら、過去のリコール隠し、そして２００４年の今になって未だ続々と出てくる欠陥車のラインナップ。その欠陥が三菱の主流の車種のほとんどに及んでいることを知り、開いた口が塞がりませんでした。上記の車の中にも、欠陥が報告された車種が混じっております。
かつて三菱の軽自動車が衝突実験で最悪の結果を出し、危険な車の一台として報道されていたことがありましたが、三菱の車の安全性に対する考えや姿勢が、今現在、本当に変わったのかどうか、疑わしく思えます。三菱の車販売は、長らく殿様商売的と言われたり、企業体質が巨大公官庁のようだと囁かれたりもしていましたが、今もその体質は変わっていないのでしょうか。
車と言うのは、高価な買い物です。一般の人にとって、家やマンションを買う次位に高価な買い物でしょう。新車なら１００万～２００万円はしますし、高級車なら３００万～４００万円、もしくはそれ以上します。これだけのお金を払うのは、メーカーに対する信頼があるからです。逆に言うと、信頼と言うものがあるからこそ、高価な商品を売って、莫大な利益を上げることが許されているのです。
私も、初めて乗った車が三菱ミラージュでしたし、今家族を乗せるためにメインに使っている車が、三菱ｅｋワゴン(※ミフィール)です。しかし、もし僕が今のタイプのｅｋワゴンでなく、別のタイプのに乗っていたら、欠陥があると知らずに、家族を危険に曝しながら一年以上運転させられていたかもしれないのです。今僕が欠陥車に乗っていないのは、たまたまラッキーだったに過ぎないのです。そう思うと、怒りが込み上げてきます。この大量の欠陥隠しの事実を知っていたら、僕は絶対に三菱の車は買わなかったでしょう。ですから、三菱が欠陥を公表せずリコールを揉み消し続けた事は、悪意に満ちた許しがたい犯罪行為です。
こういった悲しむべき事実を目の当たりにする時、どうしてもこのコーナーで三菱の車を取り上げることができません。(私もそうですが)往年の三菱の名車ファンには、悲しむべき三菱の現状です。
私個人的には、三菱のディーラーのがんばっている営業マンも知っていますし(彼がいなかったらekワゴンは買わなかったでしょう)、顧客と前線で関わっている人たちは本当によくがんばっていると思います。しかし、三菱の車の売り上げは昨年の半分に落ち込み、これから待っているのは、利益にならない大量の欠陥車の山のような修理やサービスです。それもこれも、すべて三菱自工の愚かなトップ経営陣が自ら撒いた種と言うことに他なりません。
三菱自工が、心底反省し、本当に安全で信頼できる車を作るメーカーとして更生できるかどうかは、今は誰にも分かりません。私は、別にここで三菱自工にエールを送りたいと思っているわけではありません。三菱自工の企業体質が治らないなら、さっさと潰れてもらった方が、ユーザーのためです。はっきり言って三菱自工が立ち直ろうが、潰れようが、ユーザーにはどうでも良いのです…他のメーカーの車に買い換えれば済む話しですから。もし彼らが本当に今の商売を続けたいのなら、他ならぬ彼等自身のために、心より反省して悔い改め、安全で信頼できる良い車を作っていくしかないでしょう。時間をかけて信頼を回復し、それが世の中にきちんと認められた時に、初めてこのコーナーで三菱の名車達を取り上げることになるのかもしれません。
(２００４年６月８日記載)
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