キャデラック・XLR

(2007年12月9日記載)

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 しばらく連続で、伝統的なアメリカン・マッスル・スポーツカーを取り上げてきたけれど、今回は敢えて21世紀に登場したばかりのアメリカン・高級スペシャリティGTクーペ(ロードスター)のキャデラックXLRを取り上げたい。最近のアメリカン・スポーツカーの中には、なかなか評判の良い物が増えてきた。少なくとも、むか~しの様に品質で二の足を踏む事は少ないようだ。一般にアメ車は、整備や修理などでどれだけ国内の代理店で対応してくれるかが不安だが、このキャデラックXLRは"GMオートワールド"とあの"ヤナセ"でも取り扱っていると言う点でも安心感がある。

 さて、XLRを取り上げるにあたり、せっかくなのでキャデラックの歴史を簡単にご紹介したいと思う(※キャデラックを取り扱う機会は、このHPそうそう無いと思うので…)。

現在、GM(ゼネラル・モータース)の一部門となっているキャデラックは、もともと独立した高級車メーカーだった。キャデラックの創設者は、ウィリアム・H・マーフィーと言う男。彼は、デトロイトで材木商を営んでいた。彼は、自動車については素人だったが、優秀なエンジニアのヘンリー・リーランドと言う男を雇い、「世界最高の性能と信頼を持つ車」を作ろうと考えた。今から100年以上前、1902年の事である。
 大概のメーカーは自分の名前を車に付けるものだが、その高級車のネーミングに"マーフィー"は相応しくないと考えた(※マーフィーと言う名前は、庶民的な名前だったからだ)。そこで彼は、デトロイト市の基礎を作った元フランス貴族の"アントワーヌ・ド・ラ・モート・キャデラック"にちなんで、"キャデラック"と言う名前を付けた。
 キャデラックは、徹底した品質管理を導入。また、世界で初めて車の部品に交換性(互換性)をもたらした。キャデラックの名は高まった。その後もキャデラックは、常にハイテク技術を投入してきた。1914年にはV8エンジンを作り、1924年にはバランサー・シャフト付きエンジン(三菱やホンダに先立つ事60年)、1928年にはシンクロ付きギヤボックス、1930年にはV16(!)エンジン、1932年にはバキューム・サーボ付きパワーブレーキ、1954年にはパワー・ステアリング、1956年には自動車高調整装置、これらを世界ではじめて採用したのが、実はキャデラックである。一般的にアメ車には、でかい、重い、壊れる、低燃費などの低品質イメージが付きまといがちだが、キャデラックは、ベンツやジャガー同様に、高品質・高性能な車なのである。
 ちなみに、優れた技術者のリーランドは、後にマーフィーと喧嘩してキャデラックを辞め、ライバルのリンカーン(※現在フォード傘下の一部門/ご存知リンカーンもキャデラック同様の高級車)を作った。

 キャデラック・シリーズ62(お台場ヒストリーガレージにて)

 ざっと、キャデラックというブランドの背景を説明したところで、XLRの説明に入ろう。

 このXLR、新世代キャデラックとして2003年の東京モーターショーでデビューした二人乗りのクーペ(兼ロードスター)。日本では、2004年から販売されている。まず価格を先に言ってしまうと、1,200万円!価格は、すでにスーパーカーの領域である。そして、その高価格に見合った性能が満載される。
 このスーパーカーに搭載されるエンジンは、4.6リッターのV型8気筒のDOHCエンジン。出力は324psと言うハイパワーで、トルクは42.9kg-m!このパワーとトルクで、ヘビーな1,670kgの車体を引っ張る。車重が重い割りには、車体サイズは全長4,520mm(全幅1,850mm、全高1,290mm)とまずまずのコンパクト。まあ二人乗りだし、これ以上大きかったら嫌だけど。


 キャデラックXLR(港区内にて)

 ミッションは、5速ATonly。前後の重量配分は、50対50の理想形に近く設定されている(←まあこれだけ重い車重だと重量配分も何もあったものではないが、バランスが悪いよりは良い)。また磁気感流体ダンパーを搭載し、路面からの入力を瞬時に感知して、最適な減衰力制御を行うマグネティックコントロール機能が奢られ、悪路や急激なステアリング操作に対しても、破綻の少ない走行性を確保していると言う。また、レーダーが前方の状況を確認するアダプティック・クルーズ・コントロールなど、先進技術が詰め込まれている。一つ言えるのは、ライトウェイト・スポーツカーの設計思想とは対極にある、最新兵器を搭載して高い性能と快適性を得ているGTマシンと言う事である…だから高い。

 後方から見たXLR(港区内にて)

 で、次にデザイン。鋭いエッジとシャープな面構成を持つエクステリア・デザインだが、ステルス戦闘機をモチーフにしていると言う。頑丈なペリメーターフレームに、軽量のアルミ製コクピットを組み合わせている。非常にメカニカルな動きをする電動のリトラクタブル・ハードトップは、約30秒で自動開閉する。メタルトップ採用により、耐候性にも優れている。
 インテリアデザインは、センターコンソールからインパネまで、きっちりとしたラインで構成される。運転席は適度なタイト感があり、ドライバーに心地よい緊張感を与えてくれる。
 このXLR、2004年11月に、ボディカラーとインテリアカラーを見直した2005年モデルが登場している。他の基本スペックは同じ。

 さて、キャデラックの高級感溢れる"ラグジュアリー性"と、走るための先進技術を凝縮して詰め込んだ"パフォーマンス"、この両方を併せ持ったアメリカン・スペシャリティ・GTクーペ(兼ロードスーター)のXLR…1200万円が高いと思うか、安いと思うか、あなたはどうでしょう?













 マイコレクションより"キャデラックXLR"


参考・引用文献
国産・輸入車全モデル購入ガイド (JAF出版)
クルマンガ  福野 礼一郎 原作 (双葉文庫)
各種HP


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