バンデン・プラス・プリンセス

(2007年8月19日記載)

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 小さなロールスロイスと言われるバンデン・プラス・プリンセス。通称"バンプラ"。昔ほど走ってないけど、今でも時折街中で見かけます。中古車もそれなりに玉数あるようだが、みなそれなりに値段が高く、下手な国産高級中古車より高い。さすが小さなロールスロイスと呼ばれるだけのことはある。

 バンデン・プラス社ってあんまり聞いたことないと思うけど(※実際僕もバンプラしか知らんし…)、イギリスのロールスロイスの内外装をしている名門のコーチ・ビルダーだそうだ。バンプラ・プリンセスの先祖を辿っていくと、あのBMC(※ブリテッイュ・モーター・コーポレーション)のミニに行き当たる。この"街中で見かけた名車"シリーズの一番最初でも取り上げたイギリスの名車、ご存知ミニ(ADO15)。このミニの4ドア版つまり兄弟車として生まれたのが、ADO16のプラットフォーム。このプラットフォームを使った車両は、まず1962年にモーリス1100として登場。次に、MG、オースティン、バンデン・プラス、ウーズレー、ライレーの6つのブランドで、次々デビューしていく。バンデン・プラスは、その中でも最上級のブランドと位置付けられていて、日頃はロールスやダイムラーに乗る中~上流階級の人々のセカンドカー的な位置付けで登場した。


 ウーズレー1100(秋葉原近辺にて)

 メカをコンパクトに納めて、室内スペースを最大限に取ると言うADO16のパッケージング・コンセプトは、ミニの思想をそのまま受け継いでいる。初期のエンジンは、1.1リッターの直列4気筒OHVエンジン。バンデン・プラス(※1100MKⅠ)やMG、ライレーは、ツイン・キャブレター仕様になっていて、出力56ps。1967年にはマイナーチェンジされ、1.3リッターエンジンも登場し、バンデン・プラス(1300MKⅡ)は66psとなる。ミッションには、4速ATとマニュアルが用意された。
 サスペンションは、ミニと同様、前輪がゴム製スプリング(※中に液体を封入したハイドロタイプ)とウィッシュボーンの独立懸架、後輪がやはりゴム製スプリングのトレーディングアームの独立懸架。サイズは、全長3,730mm(全幅1,530mm、全高1,350mm)とたいへんコンパクト(車重は840kg/1300は907kg)。マーチやヴィッツと言った現代のコンパクトカー並みに小さい。混雑したロンドン市内を移動するのには、やはりコンパクトさが一番である。しかもミニとは違い、4枚ドアを持っている。

 バンデン・プラス・プリンセス1300MKⅡ(千葉県内にて)

 とは言うものの、バンデン・プラスは、日頃ロールスやダイムラーに乗る人々のセカンドカー…単なるコンパクトカーではない。外観は、ロールスを髣髴とさせるグリルを採用するなど、高級感に溢れたものになっている。ちなみに、デザインはこのホームページでもお馴染みのピニンファリーナ。

 後から見たバンデン・プラス(千葉県内にて)

 室内の仕上げも豪華で、上質な本皮やウォールナットが奢られた内装となっている。前部座席の後には、なんとテーブルも設置されている。サスも、前述のようにハイドロサスで優雅な乗り心地。ハッチバックではなく、独立トランクを持つ事で車内の静粛性も高い。優れた実用性、伝統、気品(※それは日本車にありがちな上っ面の"高級感"とは一線を隔している)。さすが、ベイビー・ロールスと言われるだけの事はあるのだ。

 バンデン・プラス(地元市内にて)

 ミニのところでも述べたが、BMCはBLMCとなって合理化による統合が押し進められ、ADO16のブランド達は次々と姿を消していった。最後に残ったオースティンとバンデン・プラスも、後継車の"バンデン・プラス1500"や"オースティン・アレグロ"の登場により、1974年に姿を消した。
 僕は、このバンデン・プラスと言う車が"大、大、大好き"である。コンパクトなのに風格・気品があり、実用性も高い。光岡自動車さんあたり、このバンデン・プラス・プリンセスを、(現代車の機能性と安全性も盛り込んで)是非とも復活させてくれないかなぁ~。



2006年12月追記:バンプラ風マーチを見ました(^o^)



2012年5月4日:ヒストリーガレージにて、バンプラを見ました。














参考・引用文献
カーコレクション BMCミニ (デルプラド)
カーセンサー         (リクルート)
各種Webサイト