ダイウ・マティス と ヒュンダイ・TB

(2005年9月25日記載)

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 韓国車を取り上げるのは、今回が初めて。正直言うと、韓国車の性能等に関しては、数年前までよく分からなかった。周囲に乗っている人はいないし、韓国車のディーラーも近隣にないし、そもそも街中で見かけることすら滅多に無い。韓国の自動車に関して言えば、最初は悪印象の方が強かった。知り合いの映像プロダクションで新車のインプレッション番組を作ってる会社があって、韓国の某車の試乗の実情を聞いた事がある。そのクルマはそれなりの上級グレードだったのだが、試乗中に前部から白煙をあげてしまったと言う事だ。その間、当然撮影は休止(無論ここでは、メーカー名や車名は口が裂けても言えないが)。煙を吐く車(しかも撮影用の広報車!)なんて、現代では世界中を見渡してもなかなか無い。僕らの子供の頃は、国産車もエンジンの調子を心配しながら乗るような車で溢れかえっていた(昔は我が家の車もオーバーヒートしたし)。しかし今では白煙をあげる車なんて滅多に見ないが、この話しって、ほんの数年前の出来事なのである。その試乗インプレッション番組では、(メーカーの手前そうそう悪い事を言えないから)当該自動車評論家氏は車のインプレッションを説明するのにかなり苦労したそうである。そんな訳で、韓国車については、当初今一つ良い印象がなかった。

 その印象をガラリと変えてくれたのが、大宇自動車のマティスである。このクルマを初めて見た時は(韓国車のことを余り知らない時だったから)、ヨーロッパのコンパクトカーかと勘違いしてしまった。そこで撮影した写真を基にして、色々調べていたらマティスだと判明した。このマティス、全長が僅か3,495mm(全幅1,495mm×全高1,485mm)しか無い。日本の軽自動車より、僅か10cm長いだけなのである。わざわざ軽自動車クラスの車を、「普通自動車分の税金や保険代を払ってまで乗る人がいるのか」と言う疑問があるかもしれないが、答えは「いる」なのである。都会では、軽自動車クラスの駐車場スペースしか確保できない人も多い。一方で、家族使用を考えた時、4人乗りでは困ると言う家族もある。5人乗れる超コンパクトカー、マティスの存在意義はそれだけでも十分あると思うのだ。
 エンジンは直列3気筒SOHCで、800ccで52psを発揮する。車体も軽自動車並みに軽い(810kg)から、動力性能はまずまずだろう。3速ATと5速マニュアルが選べる(ちなみにモデルチェンジ後は、4気筒エンジンで4速ATとなる。車重は870kgと少し重くなった)。
 外観のデザインもとても良い。事実、2001年の日本グッドデザイン賞を受賞しているのだ。下の写真は先代のマティスだが、2003年にモデルチェンジしたマティスはもっと良い。デザインを、あのジウジアーロのイタルデザインが手がけているのだ。現行型のマチスは、全体的にはワーゲンのポロに近い雰囲気があり、スバルのコンセプトカーのU4Bやモルテンを髣髴とさせるようなオリジナリティに溢れるフロントマスクをしている。さすがにジウジアーロ・デザインとうならせるものがある。僕も大好きなデザインだ。インテリア・デザインも、オシャレである。装備に関しても、そこは現代の車…必要にして十分なものを備える。マティスは、75万円からラインナップ。国産軽自動車も百万円を超える車がザラになってきたから、この価格設定はうれしい。うちもekミフィールを買う前だったら、候補の一台にしても良かっただろうと思わせる一台(ただしディーラーが増えてくれないと維持に困るな…)。このマティス、九州地区ではけっこう売れたらしい。

 初代型のマティス(秋葉原にて)

 もう一台取り上げたい韓国車が、ヒュンダイのTB。こちらのコンパクトカーは、国産車と勘違いしてしまうほど普通のデザイン。よほど車に詳しい人でなければ、国産車だと思ってしまうだろう。その普通さは、名前のTBにも現れている。TBは、"Think Basic"の頭文字を取ったものである。その名前の通り、必要な基本性能をコンパクトなボディに凝縮させた車だ。だから、外観デザインなどには奇を衒ったところが無い。そのシンプルさ・素っ気無さが、反って潔いと僕は思う。欧州でも、高い評価を得ている。日本には、2001年1月から輸入されている。
 エンジンは1.3リッターの直列4気筒SOHCで、出力は82ps。全長は、3,810mm(全幅1,665mm×全高1495mm)。重量は、1,070kg。基本的に足回りは欧州仕様で、高速安定性を重視している。室内空間はゆとりがあり、国産車と同等の小物収納を用意している。
 2004年のマイナーチェンジで、フロントグリル等の内外装が変更され、エンジン出力も85psにアップしている。価格は94万~115万円ほどで、コストパフォーマンスはなかなか良い。とは言うものの、国産車には魅力的なコンパクトカーが色々と出ているので、あえて日本でこの韓国車のTBを買うには、何かもう一つの+αが求められるところ。日本車とは異なった"Something"があれば、より魅力的なコンパクトカーになると思うのだ。

 ヒュンダイ・TB(自宅近所にて)

 正直、韓国の自動車は最初にも少し述べたが、日本の車と比較すれば技術や経験の上で10年以上遅れていると僕は思う。しかし、映画等の娯楽産業の飛躍などでも分かるように、韓国の自動車産業も世界のシェアの主要な部分を占める日がくるのもそう遠くはないかもしれない。













 マイコレクションより"ヒュンダイ・スパイダー・コンセプト"

参考・引用文献
かわいいクルマで遊びたい 近田 茂 著 (二見書房)
マティス・ホームページ&マティス・カタログ
国産&輸入車購入ガイド      (JAF出版情報)


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