トヨタ・ヴィッツ&イスト

(2003年12月1日記載)

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 名車と言うと、懐古趣味と言うか、どうしても古い車を挙げてしまいがちである。名車かどうか…つまり良い車かどうかは、後の人々が判断すべきものかもしれない。しかし、現在販売されている車でも、十分"名車"と呼ぶに相応しい車もあると思う。現在市販されているコンパクト・ファミリーカーの中で、最近の僕のベスト1は"ワーゲン・ポロ"…僕の中では現役にして既に名車である。そして、僕の中のコンパクトファミリーカー・ベスト2は、今のところ"トヨタ・ヴィッツ"と"日産・マーチ"と"ホンダ・フィット"が同率で争っている。いずれも、国産車だ。主にコンパクトカーを愛して乗ってきた身としては、日本のコンパクトカーも、ようやくここまで辿り着いたか…と、感慨一入である。今回は、同率2位の中の一台、トヨタ・ヴィッツを取り上げたい。

トヨタ・ヴィッツ(自宅近辺にて)

 僕は、一度もトヨタの車を買ったことがない。ホンダ、ワーゲン、スズキ、三菱等、どちらかと言うとオリジナリティ路線を歩んできた。一般大衆受けを狙ったトヨタのセダンにも、スポーツカーに対しても、僕の食指は動かなかった(大好きな2000GTは、とても買える価格じゃないし)。が、このヴィッツが発表された時は、真面目に買っても良いと思ったのである。それだけの、センスの良さがヴィッツにはある。それまで、日本のファミリー・コンパクトカーと言うのは、実利主義と言うか、どのメーカーの車もセンスが無く、結局のところワーゲン・ゴルフの延長線上という感じ。ゴルフの亜流なのだ。しかも、適当にチープ。それなら、オリジナルのゴルフの方がいいや…と言う事で、僕はゴルフを買ったのである。初代の頃のミラージュやファミリアやマーチ、カローラⅡ等々、どれもこれも没個性的な車のオンパレード。せめてデザインだけでも、センスが良ければと思ったのだが…。
 そんな、日本のコンパクトカー界を刷新するだけの、斬新さがヴィッツにはあった。トヨタを見直した…「これは日本が世界に誇れるコンパクトカーになるに違いない!!」と素直に思えた。この後のオリジナリティ溢れる日本のコンパクトカーブームは、ヴィッツが火を着けたと言っても過言ではないと思う。

 ヴィッツの後姿(自宅近辺にて)

 で、このヴィッツであるが、1999年1月にデビューした。駆動はFF方式で、70psの1リッターエンジンを搭載していたが、後に1.3リッター(88ps)の4WDや、1.5リッター(110ps)のRSも追加された。車体の大きさ(※5ドア車)は、3,640mm×1,660mm×1,500mm。重量880kg。2001年12月のマイナーチェンジで、内外装が改良され、1リッターエンジンは「超-低排出ガスレベル」を達成した。
 内装も僕は好きだ。友人夫妻がヴィッツに乗っていて、何度か乗せていただいたことがある。丸まったインパネは、搭乗者を包み込むようにドア部にまで回りこんでいて、デザインの一体感を感じることができた。こういう車の内装のデザインは、初めてだった。自動車評論家は、玩具のようで嫌いと言う人もいるかもしれないが、僕は気に入った。小物収納ポケット類の機能性も良いと思う。
 ヴィッツは、外観も内装も共にデザインのセンスが本当に良い。何故こんなに良いのだろうと思っていたら、トヨタの欧州デザインセンターが立案した意匠とのこと…なるほど。ヨーロッパテイストに溢れている…気がする。

 トヨタ・イスト(中央区銀座にて)

 実はヴィッツと言う車は、色々な車種のベースとなるべく開発された車である。同じプラットフォームを用いて、次々と新しい車が作られた。ファン・カーゴやbB、Willなど、ヴィッツと同じプラットフォームを使用した車が、次々と世に送り出されていった。しかし、いずれも自動車評論家諸氏から、ヴィッツ以上の評価は得られなかったようだ。最初に登場したヴィッツのインパクトと評価が高かったので、その後に作られた車の評価は相対的にさほど高くない。Willのサイファなど、ボロクソに言う評論家もいるほどだ。
 そうした一連の流れで登場してきたのが、ist(イスト)である。僕は一目でこの車が好きになった。「SUVのデザインをコンパクトカーにしただけだ」とか、「ヴィッツと同じベースで、ヴィッツより大きくて重くてどうする」と言った評価をする自動車評論家達もいるが、僕はこの車のデザインセンスと品質は欧州車にも負けていないと感じた。負けていないどころか、堂々と勝負して勝てると思った(もっとも勝ち負けの問題じゃないけどね)。それ以来、イストを街中でみかけると、つい振り返ってしまう。コンパクトなのに、よくぞここまで立体感ある造形をしたものだと、心から感心する。大きく張り出したように見えるオーバーフェンダーは、実はたいして出っ張っていない。たいしたものである。エンジンは1.3リッター(87ps)と1.5リッター(109ps)の2タイプがあり、FF方式駆動のほか4WDもある。車体の大きさは、3,855mm×1,695mm×1,530mm、重量は1,000kgと、ヴィッツより若干大きく重い。

 トヨタ・イスト(千代田区市ヶ谷にて)

 自動車メーカーと言うのは、会社である以上、商品である車に必ず序列をつける。トヨタだったら、クラウンはマークⅡより高級でなければならないし、マークⅡはカローラより上質でなければならない、と言うようにである。だから、コンパクトな下級車種はとてもチープになっている(実際に安いが…)。しかし、このイストはそう言う垣根を取っ払った。大きいとか小さいとか、高いとか安いとか、そんな価値観念ではなく、このイストと言う車の存在を受け入れ、気に入った人だけが乗ればよい…そう言う車なのだと思う。既成概念に縛られず、自分自身の考えで行動する…"ist"と言う名前は、正にそれを表しているのではないのだろうか。大企業であるトヨタが、敢えてこういうことをする。だからトヨタは、強いのかもしれない…。ヴィッツとイストは、将来"名車"として語られる車かもしれない…と僕は思う。














  マイ・コレクションより"トヨタ・ヴィッツ"

  マイ・コレクションより"トヨタ・ヴィッツ"
 マイ・コレクションより"トヨタ・ヴィッツ(モーター内蔵・自走)"

 うちの子の"トヨタ・ヴィッツ"

 うちの子の"プルバック・ヴィッツ・レーサー"

 うちの子の"ニュー・ヴィッツ"

 うちの子の"プルバック・イスト"

参考・引用文献
最新国産&輸入車購入ガイド2003 (JAF出版社)
トヨタ・イストのすべて     (モーターファン別冊)

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