メルセデス・ベンツ SL
(2003年3月23日記載)
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昨年秋、秋葉原に買い物に行った時、物凄い車を見てしまった!なんとメルセデス190SLである!300SLや190SLなんて、滅多に見る事はできない(300SLはかつて俳優の故・石原裕次郎さんが乗っていた車で、今でも石原裕次郎記念館等に行けば見る事ができる)。おそらく、アルピーヌ・ルノーやランチア・ストラトスと同じくらい、街中で見る事が困難なスポーツカーだろう(これに比べれば、フェラーリ・テスタロッサやランボルギーニ・カウンタックでさえ、よく見かける車だと錯覚してしまうほどだ)。
世界の高級名車の名を欲しいままにしているメルセデスであるが、SLシリーズはスポーツカーのシリーズ(ちなみにSLとは、スーパー・ライト、超軽量の意味)。中でも300SLはメルセデス・スポーツカーの傑作の一つと言って良いだろう。また、300SLに続いて発表され、アメリカで大ヒットした190SLも素晴らしい車だ。
190SL(秋葉原にて)
300SLであるが、この車はメルセデスが第二次大戦後の復興期を経て完成させた、本格的スポーツカー。1954年に、この車がアメリカで発表された時、人々は仰天した。この車のドアが、カモメの翼のように上下に開いたからである(このドアには、すぐにガル・ウィングというニックネームが付けられた)。斬新的なコンセプトのため、不評も多かった。ガルウィングは、並列に車と車の間に駐車するとドアが開けなくて降りられない。ドアの敷居が高いので、女性が乗り降りしづらい。リアのスウィング・アクスルのせいで、経験の浅いドライバーだと後輪が横に流れる。滑らかなボンネットを作り出すため、エンジンが左に45度傾いていて、サービスマン泣かせだった…等々。しかし、この車はレース・ドライバー達の人気を集めた。伝説的ドライバーのモスや、ヨルダンのフセイン国王などがこの車のオーナーであった(前述の故・石原裕次郎さんも)。そして実際に、数々のレースで好成績を勝ち取ったのである。300SLは、3000ccの直列6気筒エンジンを積み、240ps/5,800rpmを絞り出した。最高速度は、236~260km/hに達した。車長は4,520mmで、車重は1,310kg。ガルウィングの300SLは、前述の通り一部の人々からは評判が良くなく、1957年クーペの生産は終わった。総生産台数は、僅か1,400台。クーペに代わって、ロードスター型が生産された。基本性能は同じだが、車長は4,570mm、車重は1,420kgと、若干ではあるが大きくかつ重くなっている。ロードスタータイプの生産台数も、僅か1,858台。いずれにしても、300SLは超希少車である。日本にも僅かしかないから、街中で見れた貴方は、相当ラッキーだ(残念ながら、僕はまだ見ていない…裕次郎記念館に行こうかな…)。
追記:2005年6月、河口湖自動車博物館にて"300SL"を見ました!!
さて、300SLロードスターに超そっくりなフォルムで登場したのが、190SLだ。300SLクーペの市販型が発表されて、僅か半年後のことである。英国製のオープン・スポーツカーに対向すべく、1,897ccの直列4気筒エンジンを積み、出力は105ps/5,700rpmで、最高速度は180km/hと公表された。
190SL(石川県・日本自動車博物館にて)
しかし、全長は4,220mmで車重も1,160kgあったので、動力性能は高いとは言えない。とは言うものの、300SLのほぼ半額と言うことも手伝って、アメリカ市場で大変な人気となり、いくつかのマイナーチェンジも行われた。最終的に、1962年までに26,000台が生産された。
280SL(自宅近くにて)
さて、190SL以降のSLシリーズについてもちょっと触れたい。190SLが1963年2月に生産を終えると、その後を受けて、230SLが登場。2.3リッターの6気筒エンジンで、パワーは150ps。1967年まで、19,831台が生産された。続いて250SLが登場。エンジンは、2.5リッターに拡大され、1968年まで5,196台が生産された。次の280SLは、2.8リッターエンジンを搭載し、170psに達した。1971年まで、23,885台が販売された。
500SL(千代田区内・事務所近くにて)
560SL(千代田区神田にて)
先代の500SL(千代田区内・事務所近くにて)
続いて登場したのが、350SL。初めて、3.5リッターの水冷V型8気筒エンジンが搭載され、パワーは200ps/5,800rpmに達した。全長は4,300mm、車重は1,600kg(SLCタイプは4,750mm、1,650kg)、技術、快適性、利便性のいずれもが素晴らしい、速さと贅沢さを併せ持った車である。その後、V8の4.5リッターエンジンを積んだ450SL/SLC(225ps)、6気筒2.8リッターの280SL/SLC(185ps)が追加される。1980年には、新設計のV8の3.8リッターエンジンの380SL/SLC、V8の5リッターエンジンの500SL/SLCが登場する。このSLシリーズは、1989年までの19年ものロング・セラーとなった。
現行型の500SL(千代田区内・事務所近くにて)
現行型の500SLの後姿(中央区東銀座にて)
現行型(第五世代)のSL500の性能は、次の通りである。5リッターV型8気筒SOHCエンジンで、最高出力は306ps/5,600rpm、最大トルクは46.9kg。全長は、4,535mm(全幅1,830mm、全高1,300mm)。重量は1,840gである。ハイテク技術満載で、Cd値(※空気抵抗値)も僅か0.29と言う素晴らしい流麗なスタイルを持っている。ちなみにお値段は、1,280~1,600万円ほどです。さすが、フェラーリと張り合えるスーパーカー…安くはありません。
2006年2月追記:事務所近くで、またまた現行型500SLを見ました。かっこ良いです。
2015年1月30日追記:今週、都内打ち合わせの移動時に、(暖かかったので)ベンツSL500をフルオープンにして"青山―赤坂―お茶の水"間を乗せてもらいました。スーパーカー世代なので、スーパースポーツカーに乗ると未だに楽しいです。あと、屋根が開く時のギミックも、未だにワクワクします・・・子供です(笑)。
2018年3月10日追記:霞ケ浦往復ライド時に、土浦市内にて2台のSLを見ました。
2019年9月28日追記:ランニング仲間のOさんのSL500を撮影させていただく共に、これで2度ほどステーキを食べに行きました。
マイ・コレクションより"300SL"
マイ・コレクションより"ガルウィング・オープンした300SL"
マイ・コレクションより"190SL"
マイ・コレクションより"350SL"
マイ・コレクションより"500SL"
マイ・コレクションより"500SL"
マイ・コレクションより"現行型500SL"
うちの子の"プルバック・ベンツ"
2019年1月16日追記:ベンツSL500AMG(1/43スケール)
参考・引用文献
カーコレクション メルセデス・ベンツ300SL (デル・プラド)
カーコレクション メルセデス・ベンツ350SL (デル・プラド)
最新・国産&輸入車・購入ガイド2003 (JAF出版)
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