ダイハツ・ミゼット

(2003年3月1日記載)

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 このホームページで、イセッタとKR200と言う三輪小型車(注:四輪タイプもある)を取り上げたが、日本にもかつて三輪の小型車があった。中でも、ダイハツから登場した"ミゼット"が大ヒットした。50年~60年代には、たくさんのミゼットが走っていたと言う(…僕はまだ生まれてなかった)。僕の子供時代にも、まだ街中でいくらかのミゼットを見ることができた。イセッタやKR200と違い、前一輪、後二輪の三輪車両である。「なぜ、わざわざ三輪なの?四輪の方が安定しているし、四輪で作ればいいじゃん。」…と思われるかもしれない…戦後の物不足を、舐めてはいけない。何せ、自動車会社の新車両開発の為の資材すら入手困難な時代だったのだ。一輪でも少なく、材料費も極力かからない、そう言う安い車が求められていたのだ。この時代は、そういう車が飛ぶように売れていたのである(三輪小型車は時代の産物だったので、戦後の混乱期が過ぎ去るとあっと言う間に市場から姿を消した)。
 さて、ダイハツのミゼットに話を戻そう。全長わずか2970mm(全幅1295mm、全高1455mm)と言う小型ながら、350kgの荷物を積む事ができて、八百屋、酒屋を始めとする商店で重宝し、大活躍した。エンジンは305cc空冷単気筒で、最高出力はたった12ps/4500rpm、最高時速も僅か65km/hだった。しかし、実用には十分耐えた(そもそも高性能な自動車が、珍しかった時代である)。

 ミゼット(お台場・ヒストリーガレージにて)

 今でも、この初代ミゼットのファンは多い。性能はけっして高くないが、スバル360と同様、愛らしいルックスが見ていて飽きず、愛着が増していく。映画"稲村ジェーン"では象徴的な車だったし、最近の某納豆のテレビコマーシャルでも、しっかりと田んぼの畦道を走ってその勇姿を全国に見せつけた。懐かしいグッズを探して回る、テレビ番組のシリーズでも、タレントの石塚弘さんがミゼットに乗っている(これを書きながら、今、丁度その番組を見ているところ…)。

 歴代ミゼット(石川県・日本自動車博物館にて)

 熱烈なファンの声に応えるかのように、ダイハツは1996年に"ミゼットⅡ"を販売する。現代によみがえったミゼットは、しっかりと四輪を与えられ、エンジンも659ccの水冷直列三気筒OHC4サイクルエンジンにグレードアップされ、出力も31ps/4900rpmとアップした。しかし、全長は少し短くなり2790mmと小さくなった(全幅1295mm、全高1650mm)。その後、何度かマイナーチェンジ。ちなみに、ピックアップタイプとカーゴタイプがある。

 ミゼットⅡ・ピックアップタイプ(秋葉原にて)

 初代ミゼットを街中で見かけることは今は滅多にないが、ミゼットⅡの方は生産終了後数年を経た今でも、元気良く走っている姿を時折見かける。たいていのミゼットⅡは、エンスージアストの手にあるせいなのか、どれもきれいに大切に乗られているように感じる。幸せな車達のようである。

 ミゼットⅡ・カーゴタイプ(千代田区内・事務所近所にて)


追記:2005年3月、アンパンマン仕様のミゼットを見ました(日本テレビにて)


追記:2005年6月、河口湖自動車博物館にて"ミゼット"を見ました。
 

追記:2008年1月、お台場ヒストリーガレージの"ミゼット"の荷台に新品の幌が付けられていました。















 マイ・コレクションより"ミゼットとミゼットⅡ"

参考・引用文献
自動車博物館展示プレート 他

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