メッサーシュミット KR200

(2002年12月26日記載)

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 さて前々回、キャビン・スクーターと呼ばれる超小型車の"イセッタ"を紹介した。イセッタのような超小型車は、他にもたくさんあった。ゴッゴモビルやフルダモビル、Mk.2にハインケル・キャビン、リライアントにボンドカー、他etc. 今回紹介するメッサーシュミットも、そんな名小型車の一台。

 KR200(印旛沼脇にて)

 私が初めてメッサーシュミットKR200を見たのは、千葉県の印旛沼のとある公園にて。2001年の春のことだった。とても珍しい車が視界に飛び込んできた。真っ赤な三輪のオープンカー。それが、KR200。ドライバーと話をさせていただいて、車の中まで撮影させてもらった。車の名が示す通りに、第二次世界大戦で活躍した戦闘機メーカーが、戦後に作った車。この時出合ったKR200は、当時作られたものではなく、イギリス製のキットカーと言うことだ。前後に座る二人乗りという珍しいレイアウトで、戦闘機のようにボディ上部を跳ね上げて乗り込む。運転席は、正にコクピットを彷彿とさせるデザイン・レイアウト。全長は、2.85mしかなく、幅も1.31mしかない。ちなみに、当時のオリジナルの性能は、191cc強制空冷単機筒エンジンで10psだった。1955年から1964年まで作られ、一時期は四輪モデルも作られた。

 KR200のハッチを開ける(印旛沼脇にて)

 KR200のコクピット(印旛沼脇にて)

 僕が出会ったKR200のドライバーは、まだ若い青年で車の雰囲気にとても似合っていた。まるでオートバイでぶらっとツーリングしていたような、そんな気軽な感じがとても良かった。若い人だけでなく、初老の紳士が後席に犬を乗せてドライブに出かけるようなシチュエーションにもぴったりの車かな?

 KR200(石川県・日本自動車博物館にて)

 KR175(お台場・ヒストリーガレージにて)

 その後、私は再びKRと出合った。私がしばしば行くお台場の自動車博物館(※ヒストリーガレージ)に展示してあった、メッサーシュミットKR175だ。その後、日本自動車博物館でも2台見ることができた。今はさすがに、個人売買で50年前の中古のKRを見つけるのは難しいが、冒頭でも述べたようにレプリカなら購入できる。英国のトライテック社がFRPボディで製作し、ホンダのスクーター用250cc水冷4サイクルOHC単機筒エンジンを搭載している。出力はオリジナルKRの倍の20psで、僅か260kgしかない車重を時速120km/hまで引っ張ることができる。変速機もスクーター用のオートマチックで、とても便利。日本向け用に、強力な油圧作動ブレーキや、電動駆動のバックギアなどの改良を加えて販売されているものもあるそうだ。














 マイ・コレクションより"メッサーシュミット・KR200"

参考・引用文献
pen No.95 (TBSブリタニカ) 他

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