ホンダ・シティ

(2009年6月21日記載)

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 さて徒然なるままに、過去から現在までの国内外の優れたコンパクトカー達を取り上げていきます。
 で、今回は、ホンダのシティ!人々の趣味嗜好が多様化し始めた1980年代、ホンダから非常に個性的な超コンパクトカー"シティ"が登場した。1981年11月のことである。全長は僅か3380mmと言う現代の軽自動車とほぼ変わらないサイズ(全幅と全高はそれぞれ1,570mm、1,470mm)で、車重も僅か665kgだが、普通自動車なので大人5人乗車が可能だった。特筆すべきは、このシティの"高さ"だった。同クラスのライバル達よりも100mm以上背を高くしたことで、乗員の快適性を向上させたのである。この独特の背高スタイルのプロポーションは、"トールボーイ"と呼ばれた。

 シティ(地元市内にて)

 エンジンは、1231ccの水冷4サイクル直列4気筒OHCエンジン(低公害の第二世代CVCCエンジン)で、最高出力は67ps。車重が超軽かったので、市街地をすいすいと走ることができた。サスペンションは、前後ともストラット/コイル式。ブレーキは、前がディスクで、後がドラム式。オプションとしてとても面白かったのが、50ccのモトコンポと言うミニ・バイクを折りたたんで積めたこと。このモトコンポ、個人的には今でも欲しいアイテム。「City、in City!」と歌いながら踊る7人の若者のCMも、とても印象的だった。
 シティはデビューするや否やヒットし、販売低迷で経営危機に陥りつつあったホンダを甦られせる原動力となった。

 初代シィティ・ターボⅡ(石川県/自動車博物館にて)

 存在そのものが斬新だったシティだが、バリエーションを増やす事で更なる人気を獲得した。まずは、1982年9月にターボモデルを追加。パワフルな100psの動力性能は痛快そのもので、音楽を身体で感じるボディソニックシートも新鮮。シティは、更に若者に指示されることとなった。11月には、ハイルーフもラインナップされた。
 次いで1983年11月、空冷式インタークーラー付きターボエンジンを搭載したターボⅡ(通称"ブルドック")を発売。出力は110psにアップし、張り出したフェンダーやサイドステップは迫力があり、ホットハッチと呼ぶに相応しい動力とプロポーションを得た。
 1984年7月には、ハイルーフをベースに大型スピーカーを搭載した"マンハッタンサウンド仕様"が設定された。

 シティ・カブリオレ(地元市内にて)

 更に1984年6月、ターボⅡのボディをベースに、カブリオレモデルを追加した(※4人乗車モデルとなる)。実はこのエクステリアは、あのピニンファリーナの手で幌の設計、オープン化された本格的なものである(!)。僕もカプチーノに乗るオープンカーファンとしては、このシティ・カブリオレの美しさは声高に主張せずにはおれない(笑)。上と下の写真を見ても分かるように、本当に美しいのである。しかも、12色ものボディカラーから選ぶ事もできた。
 ターボⅡのスポーティな走りと、オープントップの楽しさを備えたこのモデルは、今でも中古車市場で高い人気を博している。確かに、僕も今でも乗りたい車である

 後方からシティ・カブリオレ/美しい!!(地元市内にて)

 1986年になると、シティは2代目に移行。なんと、ホンダはヒット作の先代のコンセプトを大きく変えた。"トールボーイ"のプロポーションは、ロー&ワイドなプロポーションとなった。この低重心フォルムは走行性能を高めるためであり、ドライバーの感覚を尊重し、感性の域まで満たす事を目指したフォルムなのだそうだ。また2代目シティは、走行性能、動力性能、経済性などの機能、効率を徹底的に追求された。
 サイズは一回り大型化され、全長3,560mm(全幅1,620mm、全高1,335mm)となった。高さ方向の開放感は薄れたが、タイヤを4隅に配置しそして大きくなった分だけ室内空間も外観から想像するよりはずっと快適である。車重は軽量化の努力の結果700kgと、増加は最小限に抑えられている。エンジンは、先代同様に1.2リッターの直列4気筒OHCエンジンだが、新開発エンジンである。1カム・16バルブのヘッド機構を持ち、軽量で高剛性のアルミロッカーアームや4連アルミシリンダーブロックを採用し、76psの高出力と10モード燃費19.4km/lの高燃費を達成した。
 1988年10月にはマイナーチェンジを実施し、1.2リッターエンジンを1グレードに統合、主力は1.3リッターエンジンに切り替えられ、プラスしてPGM-F1エンジン搭載車も加えられ、内外装をリフレッシュした。
 2代目シティは、ジムカーナやダートトライアルなどのベースマシンとして活躍し、全日本や地方選手権で勝利を積み重ねていった。2代目シティのコンセプトと開発陣の努力は、その方面で真価を発揮した。ただし、販売面は低調なまま推移していく。初代シティのような特徴的なスタイルを無くした代償は大きかった。


 2代目シティ・PGM-F1エンジン搭載タイプ(自宅近くにて)

 僕も、むか~し先輩が乗っていた初代シティに乗せてもらって長距離旅行をしたことがあるが、小さくてもそれなりに快適で俊敏な走りが楽しめる車だった。
 2代目シティの販売不振により、(ホンダの様々なリフレッシュ努力にも関わらず)シティは1994年に国内市場から消滅した。その実質的な後継車は、2001年に登場したフィットであると言える。しかし、初代シティ(※特にカブリオレ)のような楽しくてワクワクするような"何か"を感じさせてくれる超コンパクト車は、なかなか新たに登場しない。次々に新型車が市場に華々しく登場するが、型破りな車はほとんどなく、すべて予定調和の中で凌ぎを削っている車がほとんど。現代の安全基準や高効率パッケージングを満たすのには、もはやあのサイズでは難しいのかな…。そう言った意味で、初代シティは稀有な存在だと思う。特に"シティ・カブリオレ"は、オープンエアの楽しさ、お洒落さ、走行性能、実用性が高いレベルで融合した、一生付き合っても良い日本の名車だと思う。













 マイコレクションより"シティ・ターボⅡ"

※このシティ、リアハッチを開けるとちゃんとモトコンポを積んでいる。偉い



参考・引用文献
The絶版車File            (インフォレスト)
国産名車コレクション       (アシェット・コレクション)


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