マツダ・デミオ

(2009年4月26日記載)

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 なんと、このコーナーも今回で101回目…我ながらよく続いている街中で見かけた名車シリーズも、シーズン2の新たなステージに入ったって感じです。過去100回にも渡って名車を取り上げてきた訳だが、僕の好みはやっぱり偏っているなぁ~と実感させられた。車好きは車好きなのだが、中でもスポーツカーと、そして大衆向けコンパクトカー、この対極にある2種がとても好きなのである。セダンやSUVも嫌いな訳ではない…実際に、インテグラやビガーと言ったセダンも乗ってきたし、4WD・SUVのエスクード・ノマドも乗ったし。でも、やっぱりスポーツカーと大衆コンパクトカーが好きなんだなぁ~。そしてスポーツカーの中でも、やっぱり小さいスポーツカーの方が好きなのである。
 車ってトータルバランスで考えないといけないと思っているんだけど、車に色んな機能を付け足していけばどんどん大きく、そして重くなる。4WDにすれば運動性能は上がるけれど、当然重くなるし、各パーツの耐久年数も落ちるし、維持費だって高くなる。荷物をたくさん積もうと思えば、車はやっぱり大きくなるし、重くなる。大きく重い車体には、やはりパワーのある大きな思いエンジンを積まねばならないし、燃費だって悪くなる。スポーツカーも色んな最先端技術を詰め込んで高性能になっても、1.5~2トンにもなったらスポーツカーとして好きになれない。300psのパワーがあっても2トン近い車なら、同じようなパワーウェイトレシオの150psのパワーの1トン前後の車の方が好きだ。
 多くのドライバーは、サーキットを走る訳でも、険しい山間の林道を走る訳でも、3列シートを常に使っている訳でもない。つまり、多くの車が多くの"無駄な重さ"を背負いながら、燃料を無駄に浪費しつつ道路を走っているのである。
 コンパクトで軽くて運動性能や積載量のバランスも良く、安全性能も高く、しかもかっこ良い…これが技術者達の腕の見せ所なのじゃないかな。だから、このコーナーでは今後もコンパクトなスポーツカーや大衆車を交替で取り上げていきたいと思います。

 で、その記念すべき101回目、シーズン2の最初に紹介するのは、マツダの"デミオ"。以前、ヴィッツやマーチやフィットを取り上げたけれども、デミオはそれら国産3トップ・コンパクトカーと比べると幾分マイナー感は否めなかった。存在感が薄いと言うか、実力は高いのにデザインなどが地味だった。僕の中のコンパクトカーNo.1は長らくワーゲン・ポロで、次いでフィット、マーチ、ヴィッツが同率2位で続いていた。その後、スズキの新型スイフトが一気に一位に上り詰めたのだけれど、マツダの新型デミオの登場により、順位にまた変動が生じた。現在、僕の中ではデミオがポロやヴィッツ等を抜き去り、一位のスイフトの座に肉薄している。
 そもそも、僕は初代デミオも2代目デミオも好きな車である。テリー伊藤さんや自動車評論家(※フェラーリ党)の清水草一さんが対話の中で初代デミオをべた褒めしていたように、僕もあの肩肘張らない初代の"力の抜き加減"と2代目の"キャンバストップ"が大好きだった。

 まずは、その初代デミオから振り返ってみよう。初代は、1996年8月に登場。その年の6月にフォードが筆頭株主(※現在のアメリカ・ビッグ3の低迷を考えると時代の移り変わりを実感させられる)になった新生マツダの、第一弾の車である。
 全長3,800mm(全幅1,670mm、全高1,535mm)と言う、ワゴンスタイルにも関わらず立体駐車場にも納まるコンパクトなサイズで、しかも積載能力が高い(※後席を畳めばMTBも積めた)と言うパッケージングを生み出し大ヒットとなった。車重は910kg。FF駆動車で、エンジンは83psの1.3リッターと100psの1.5リッターの直列4気筒SOHCエンジン。コストをカットするために徹底的にシンプルな造りの車だけど、それが前述のテリーさんや清水さんの言うように"力が抜けていて"魅力となった。


初代デミオ(隣町にて)

 大ヒットした初代の後を受けて、2002年8月に登場した2代目デミオ。ボディサイズはやや大型化して、全長3,925mm(全幅1,680mm、全高1,530mm)となる。車重も増えて1,100kg。エンジンはDOHCとなりパワーアップ、91psの1.3リッターと113psの1.5リッター。
 室内は十分に広く、開放的なキャビン。小物入れも豊富。ただ単に荷物がたくさん積めるだけではなく、フットワークも良い。攻め込んだ際も安定感があり粘り強いと言うのは、さすがマツダの車。足回りの安定性は、このクラス随一の水準だった。

2代目デミオ(隣町にて)

 2代目デミオのスタイルは基本的に初代の延長線上にあるが、先代の脱力系から比べると、より気合いが入ったデザインとなった。フロントマスクはアグレッシブになり、後部のリアコンビランプがスポーティさを強調している。個人的な感想だが、昨今のアルファロメオのリアランプのイメージと似ている。実際、マツダの車と言うのはデミオから上の車種までみんなスポーティで、なんとなく「アルファロメオみたいだなぁ~」と思ったりもする。

後方から見た2代目デミオ(浅草橋にて)

2代目デミオのパトカー(地元にて)


 2代目デミオで最大のニュースは、マツダが久しぶりにキャンバストップ・モデルもラインナップした事である。かつてフェスティバと言う車がキャンバストップを採用して楽しいカーライフを提供していたが、やっぱりキャンバストップはそれだけで楽しい。なかなか一般家庭でオープンカーを買うと言うのは難しいと思うけれど、キャンバストップなら実用性もあまり損なわれないし、気軽にオープンエアも楽しめる。最近はあんまり無いので、キャンバストップ車は貴重である。2代目は2004年と2005年にマイナーチェンジが施されている。

 キャンバストップのデミオ(事務所近くにて)

 そして2007年7月、デミオはフルモデルチェンジをして、3代目となった。それまでにデミオは国内累計生産100万台を超える大ヒット車となっていたが、燃費性能ではライバルに遅れを取っていた。そこでマツダは、思い切った軽量化とエンジンの改良熟成を行なった。
 ボディとシャシーを新設計し、ボディの剛性を高めつつもなんと100kgもの軽量化に成功(車重990kg)。軽くなった事で、元々良かった走りの良さが更に良くなったし、低燃費にもつながっている。全長は3,885mm(全幅1,695mm、全高1,475mm)と僅かに小型化。
 エンジンは、2代目と同じく直列4気筒DOHCの1.3リッター(90&91ps)、1.5リッター(113ps)だが、4ATに加えてマツダ初のCVTを採用している。ミラーサイクルエンジンも復活して、更なる低燃費化が図られている。ミラーサイクルエンジンとCVTの組み合わせは、10・15モード燃費で23km/lを誇る(!)。1.3リッター版には、e-4WDも用意されている。1.5リッターのSPORTSのCVTは、7速マニュアルモードのステアリングシフトスイッチ付き。

3代目デミオ(地元市内にて)

デミオ・スポーツ(地元市内にて)


 2代目までと3代目の大きな違いは、何と言ってもそのエクステリア・デザイン。先代までのデミオは(特に初代は)、言ってしまえばワゴンそのもの。しかし、3代目はもはや「別の車?」と思うぐらいの新しいデザイン。ボディが小さくなり、デザインがかっこ良くなった分、当然積載容量は減った。つまりコンセプトが、ガラリと変わったのである。しかし運転する楽しみ、経済性の良さ、車のデザインの美しさは、積載容量減を補って余りある。積載容量が減ったと言っても、ライバル達に遜色ない250リットルもの荷室スペースを確保している。

 後方から見た3代目デミオ(地元市内にて)

 インテリアデザインも、先代までとは随分変わった。ダイヤル、吹き出し口などを丸モチーフでまとめてポップなイメージ計器類の視認性もグッド。座席の視界はとても良く運転しやすい。前席シートは、快適性とサポート性を両立。後席は、残念ながら先代より狭くなった。これは、マツダが新型デミオで割り切った部分。価格は112万円台から158万円で、性能を考えるとコストパフォーマンスは高いと思う。
 3代目デミオは、走り・居住性・安全性・経済性が高度にバランス良くマッチングされて高評価を得て、"日本カー・オブ・ザ・イヤー"の2007-08年の10BESTを受賞した。納得。
 しかし、一つだけ気になる事が…デザインが(特に後から見ると)なんかちょっと新型のヴィッツを彷彿とさせるんだよなぁ~…パッケージングやサイズが似ると、デザインも似ちゃうのかな~。














 マイコレクションより"2代目デミオ・キャンバストップ"

 マイコレクションより"2代目デミオ・キャンバストップ"

 マイコレクションより"3代目デミオ"


参考・引用文献
新型デミオのすべて           (モーターファン別冊)
国産&輸入車全モデル購入ガイド         (JAF出版)
国産名車コレクション       (アシェット・コレクション)
間違えっぱなしのクルマ選び 清水草一&テリー伊藤 (中経出版)


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