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６．ＫキャンパーⅡのレイアウトを考える
前回に引き続き、軽ワゴンでのキャンピングカーをデザインする第二弾！
前回の案では、ポップアップルーフを採用して４人就寝を可能にした。前回の案でも述べたように、ポップアップ架装は持ち込み依頼価格で６０万～７０万円ほどする。１００万～２００万円以内でオリジナル・キャンピングカーを完成させようと言うには、この金額は随分な高額になる。そこで今回は、敢えてポップアップルーフ無しで(※ただし前提としてハイルーフ車を使用する)、４人就寝のデザインに挑む！この無謀な挑戦は、果たして可能なのだろうか？思考実験的デザインに挑む。
(※ただし、キャンピングカーの構造要件は最終的な詰めで考える事とし、このデザインでは詳細には考慮していない／実際には要件を満たすには、ポップアップ等の架装は必要になる)。
軽ワゴンのサイズは、前回のレイアウト案でも述べたように、上のような非常に限られたスペースである。前回の案でも述べたが、走行中のスペースはなんら問題ない。そこは、通常の軽自家用車と比べれば遥かに大きな室内空間をもっている軽ワゴン。セカンドシートの足元スペースもゆとりがある。
さて、ポップアップルーフ無しで４人就寝可能とするには、やはり車内スペースを立体的に使う必要がある。しかし、常設２段ベッドは不可能。そこで、ボンゴベースのキャンピングカー案で採用した半常設２段ベッドを、更に進化させた半常設２段ベッドを採用した(これは平面では分かりづらいと思うが、３ＤＣＧ化した時に、分かり易く示したい)。
この半常設２段ベットは、車体の左右に設置する。上段ベッドの前端部は下に折れ曲がって、セカンドシートの背もたれになる。ベッドの上端部は上に折れ曲がって、マルチルームならびにキッチンの壁の上面壁を形成する。これは、なかなかグッドアイディアだと思う。上段ベッドは使わない時は、シートバックや壁になるのである。
セカンドシートと上段ベッドを左右に設置する事で、超狭いながらも車内のセンターウォークスルーを可能とした。
さて、ダイニング展開時。これは、過去の案と同様に、運転席と助手席の回転対座が必須条件となる。４名が対面して食事が可能。過去の案と同じく、ハンドルが邪魔になるので、運転席だけは少し位置が押し出される形になる。トイレやキッチンまで、車体センターをウォークスルー可能とするため、テーブルを左右に１つずつの計２つ取り付けた。こういう案も、前例が無いと思う。
シンク自体は小型のものだが、前回の案と同様に給排水量１３リッターを可能としたい。そこに折畳式のカウンターをつけてキッチンを展開し、コンロなども置けるようにする。冷蔵庫は、１９リッターサイズクラスは無理なようなので、１３リッターのポータブルのものを採用か？
ポータブルトイレを入れるマルチルームは、下段の"常設壁"と上段ベッド後端部の"仮説壁"の２枚で形成される(※キッチンの壁も同様)。場所の制約から、トイレ用のドアはカーテンか？ダイニング展開中にも、センターウォークスルーにより自由にシンクやトイレルームが使えるのは、小さい子供がいるので非常に重宝すると思う。
で、就寝のためのスペース。ここが、このレイアウト案の味噌＆真骨頂！
下段べッドは、運転席と助手席のバックシートを倒して形成。しかし、このままでは全長１５０cm程度にしかならず、大人は眠れない。オリジナルアイディアはここからで、セカンドシートのバックシートになっていた上端ベッドの前端部を引き起こす。すると、下段には遮断されていた５０cmのスペースが現れ、下段ベッドは全長約２ｍになる。これで大人の就寝が可能になる。
引き起こしたベッド前端部の長さは約６０cm。元々あった半常設の上段ベッドの長さも約６０cm。そして、マルチルームやキッチンの壁を形成していた上段ベッドの後端部(※これも約６０cm)を平らにすると、全長約１８０cmのベッドが左右に一つずつ形成される。
ただし、上段ベッドを展開すると、もはやトイレやシンク、キッチンは使えない。ここが最大の難点であり、トイレやシンクを使うたびに、上段ベッドの後端部を９０度に曲げなければいけない。要検討課題だが、軽ワゴンの狭いスペースを考えれば、アイディア(※思考実験)はこの辺が限界かもしれない…。
こうして、下段ベッドに大人２人、上段ベッドに子供２人、の計４人が寝られる事になった。しかも、下段と上段のベッドの位置がずれているので、(ハンドル側を頭にすれば)下段の人にも圧迫感はかなり少ないはずだ。
さて、今回の案は平面では少し分かりづらいと思うので、次回３ＤＣＧでこのレイアウトを検証してみたい。
(2007年6月10日記載)
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