フェルメール展/東京都美術館
(2008年10月18日訪問/11月23日記載)
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2008年秋、僕が主催者となってマイミク(Mixiの友人の事)さん6名と共に、フェルメール展を見てきました。(その日の午後は、Sサロンと共同で午後のティーパーティーを開催しました。計14名の参加)。
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東京都美術館は、日展鑑賞をはじめ過去何度も足を運んでいます。でも、今回は丸1年ぶりの訪問かな?
東京都美術館
フェルメール展と言っても、そもそも作品自体が三十数点しか残っていない寡作の画家だったので、今回来日を果たしたのは7点のみ。他は、デフルトの画家達の作品などで会場を埋める。2日前に見た"ミレー展"が全作ミレーの作品だったのを考えると、美術展と言うのは企画者(キュレーター達)の意図や実行力によって、内容がホント色々である。
さて、フェルメールの作品を見て最も感じた部分は、微妙な光の捉え方が上手い点である。南フランスやスペイン、イタリア等の地中海地方は、太陽の位置が高く、陽射しが強く、陰影がくっきりとする。一方で、北ヨーロッパの太陽は斜光で、夕陽に近いような印象を受ける。大きな窓から一生懸命に光を取り込むのだが、光が柔らかい。その微妙な光をリアルに捉える作業と言うのは、フェルメールのような優れた技術と経験を持った画家によって初めて可能となる。彼が、光の天才画家と呼ばれる由縁なのだろう。
有名な、"ワイングラスを持つ娘"や"小路"や"ヴァージナルの前に座る若い女"なども良かったが、僕は個人的に"マルタとマリアの家のキリスト"がとても印象に残った。
どの作品前も混んでいて、中々近づいて見る事ができず、売店前に飾られていた複製画の方がじっくり見る事ができた(笑)。
フェルメール展看板前でマイミクさんと記念撮影
せっかくなので、東京都美術館の成り立ちも簡単に触れておこう。まあ、本の受け売りだけど。大正期に美術建設運動が高まる中、福岡の実業家が東京府に建設資金を寄付した事がきっかけで、1926年に公立初の"東京府美術館"が上野公園に開館。1943年に、都制施行にともって東京都美術館と改称。現在の建物は、1975年に立てられたもの。
しかし、この都美術館は、独自のコレクションを持っていない貸し画廊のような、言ってみれば"箱"だけの美術館。建設当初に、常設展示のコレクションに力を入れるか、美術団体に会場を貸すかの選択に迫られ、貸し会場案が採用されたのだと言うこと。中身(常設のコレクション)が無くても美術館と名乗れると言う、美術館のあり方としては"歪んだ前例"を作り出してしまったのも事実のようです。