北 海 道 (1997年11月記載)
さて、北海道行きを決行したのは、転職間もない1990年8月21日のことでした。たった5日しかない夏休みで北海道行きを計画。お金がないので、3万円だけ財布に入れる。仕事を終えてマイバイク(下の写真参照)で午後8時に東京の千代田を出発。当然、高速道路など使えようはずもなく、国道4号をほぼノンストップで走り抜き、13時間で青森の野辺地へ到着。750kmの道筋を、13時間。平均時速約は55km/h。いったい、どの位の速度で走り抜けたのでしょうねえ(もう時効だよ!)。途中、一カ所吉野屋に寄ったのだけど、店内のお客が全員でこっちを見る。どうしたというのだろう?トイレへ行ってようやく理由が判明。トラックの後ろをフルフェイスのバイザーを上げながら長時間走っていたので、排気ガスで目の周りがちょうど「タヌキ」のように真っ黒。油汚れなので水ではなかなか落ちなかった…。
ヤマハSRX400 函館港へ
22日に野辺地からフェリーに乗る。不眠不休の強行軍だったので、船に揺られながらも少し休めた。夕方、函館へ到着。またバイクに跨り、一路札幌を目指す。雨が振り出し、周囲は真っ暗になる。函館を抜けると、とたんに街路灯が無くなり、頼りはバイクのライト。雨が、バイザーを打ちつけほとんど見えない。途中、長万部の灯りに誘われるように停車。カニ飯を食べる。その後、中山峠では霧に包まれ、対向車もなくとても怖い思いをした。
札幌についたのは、真夜中。しかし、宿はどこもいっぱいで泊まれない。あたりを見ると、駅内やベンチで俺と同じようなライダー達がゴロゴロ寝ている。東京から札幌までの約1,000kmで、もうヘトヘト。ベンチで寝てしまう。何時間もしない内、雨が顔を打ち始める。時計を見るとまだ朝の5時。周りで雨に気付いたライダー達が起き始める。彼らに尋ねてみると、どうやら台風が北海道の真ん中を通り抜けるらしい。どんどん雨が強くなる。ああ、それでは夏休み終了前に、東京へ帰れない。仕方ない。フェリーに乗る為、飯も食わずに苫小牧へ向かう。急がないと、フェリーが運行停止してしまう。そうなったら、おしまい。とにかく、バイクの性能と腕の許すかぎり急ぐ(あっ、法定速度の範囲内でね)。
札幌駅前にて 時 計 台
苫小牧も滝のような大雨だったが、何とか運行停止前のフェリーに乗ることができた。23日の午前中に苫小牧を出発(帰りのフェリーは、台風の影響で海は大荒れ。ヘロヘロになるまで酔った)。残念なことに、丸山公園も、小樽運河も、富良野のラーメンも、大雪山の雄大な景色も、心地よいワインディングロードも、一本道も、何もかもお預け状態!たったの24時間さえも北海道にいなかったのだから!いつかまた、必ずやI'll be back!それまで待ってろよ、北海道!今度は5万円は持って来るからな!
北海道:日本の最北部。北海道本島と周辺の付属島からなる。道庁は札幌市。県制をしかず14支庁からなる。農業の経営規模は、全国最大。ジャガイモ、雑穀、米などの他、酪農や牧畜が盛ん。地下資源が豊富で、出炭量は全国一。江戸時代は、蝦夷地と呼んだ。面積78,515平方キロメートル。